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フェイスシールド

by 唐草 [2020/10/13]



 ほぼすべての授業がオンラインで実施された前期。コロナ対応のためとは言え、学生は大きな不満と漠然とした不安を同時に感じていたということがアンケートから明らかになっている。後期に入っても状況は停滞したままだが、対応は変わってきた。
 一部ではあるが、後期はキャンパスでの対面授業が認められている。これは、遠隔授業と対面授業を組み合わせたハイブリッドな学習環境とも言える。右も左もわからずに即席の遠隔授業を実施するしかなかった前期に比べると、ずっとまともな教育環境だ。
 ぼくの担当する授業の1つも対面での実施となっている。Macを用いたデザイン系のグループ演習なので遠隔授業との相性は最悪。遠隔授業の受講要件がMacを持っていることになりかねないので、前期は休講にせざるをえなかったという苦い過去もある。
 この授業は1限からなので早起きしなくてはならないし、在宅勤務の効率の良さを知った後だと通勤は時間の浪費にしか感じられない。正直なところ、早起きも通勤もしないで済ませたい心から願っている。そう考えるぼくでさえ、対面授業のほうが充実感があることは否定できない。やっていることは対面でも遠隔でも同じはずなのだが、教室という空間を共有しているという事実が学生と教員の間に適度な緊張感を生み出す。ラジオ放送のように画面に向かって喋るだけで良い遠隔授業と比べると対面授業の身体的負担は大きい。でも、その負担を余裕で帳消しにできる確かな満足感がある。
 ただ、ひとつだけ厄介なことがある。マスクの存在だ。
 教壇でマイクを握って喋っていると口から大量の飛沫を飛ばすことになる。最前列には学生を座らせていないが、それでもマスクをしていないと落ち着かない。というか、半年以上のマスク生活に馴染んでしまって屋外でマスクをしていないことに違和感がある。
 とは言え、マスクをしていると口に布が張り付くようでしゃべりにくい。呼吸量も減るのかすぐに息が上がってしまう。
 今は、マスクの代わりに職場で配布されたフェイスシールドを使っている。これをつけると視界は歪むし、シールドを押さえている額は汗まみれになる。自分のシールドをマイクで殴って何度も痛い思いをしている。それでも、シールドこそ新しい授業の象徴だと前向きに考えている。