by 唐草 [2014/10/06]
我が家には、台風が近づくと活躍する物がある。
気圧計だ。
果たして活躍と呼んでいいのかは疑問が残るが、平常時見向きもされない気圧計が主役となる瞬間が確かにある。
台風が接近すると気圧が下がるのは周知の事実。大きな台風だと中心気圧が970hPaとかだから、普段と比べて3%ぐらい気圧が下がっていることになる。こういう情報は天気予報を通じてのみ知ることができる情報だ。体感できる人は少ないと思う、特に健康な人は。頭痛や歯痛などで気圧の変化を感じられる人もいるが、下がっていることが分かるだけでどれほど下がったのかは分からないだろう。
その結果、中心気圧なんてカードゲームのカードの攻撃力のような物で、意味は分かるが実感できるものでは無い印象が強い。多くの人は気圧よりも、風雨の強さで台風の威力を知るのが普通の流れだろう。
気圧計があるとつぶさに気圧の変化を知ることができる。
普段は、1005hPaを指している我が家の気圧計。アナログの気圧計なので初期位置が正確かどうかは分からない。そして、ほとんど動かないので壊れているのかのようにも見える。
ところが台風が近づいてくると己の仕事を思い出したかのように、ゆっくりと針を動かし始める。
今回のように大きな台風が来るとよりダイナミックに針を動かす。
何百キロも離れた場所に台風があるのに既に1000hPaを切った。さあ、嵐が来るぞ。
接近するにつれ徐々に気圧は下がっていき、最接近した際には985hPaまで下がっていた。
これぞ気圧の変化を実感できる数少ない瞬間だ。
固唾を呑んで気圧計を眺める。これが我が家の台風の日の過ごし方。