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何のK

by 唐草 [2021/11/11]



 「切り取り」のキーボードショートカットキーである"X"は一体何なんだという話で盛り上がっている人々がいた。
 ショートカットキーは、一般的に操作を意味する言葉の頭文字を採っている。コピーは"Copy"の"C"だし、印刷は"Print"の"P"。全選択は"All"の"A"で、保存は"Save"の"S"だろう。このルールに則れば、"X"もなんらから単語の頭文字であるはずだという主張が展開されていた。
 バカな話だと思う一方で、ぼくは"X"が頭文字である可能性を一度も考えたことがなかったという事実に気付かされた。"X"で始まる単語が少ないという先入観だけで頭文字の可能性を一蹴していたぼくの方が頭でっかちだったのだろうか?
 いや、そんなことはない。
 コピペに割り当てられた"X","C","V"の3つが連続して並んでいることは、キーボードを眺めるまでもなく使っていればすぐに気づく。頻繁に使うショートカットなので、頭文字ではなく配置的に使いやすいキーを選んだというのが正解らしい。
 なお、話の中では「切り取り」に対応する"X"はハサミの象形表現で、「ペースト」の"V"は挿入を示す矢印ではないか?という仮説も挙げられていた。目からウロコの考え方だ。信じても良さそうな推理だが、象形文字文化の薄いアルファベット圏でこのような発想が生まれるか疑問が残る。面白い説だが、ぼくとしては運指の都合説を譲るつもりはない。
 さて、アプリによっては"V"で使う「切り取り」以外に、もうひとつの「切り取り」ショートカットが存在する。それは画像処理アプリで選択範囲だけを切り取る処理、一般的にはトリミングと呼ばれる操作のこと。「切り抜き」と呼ばれる場合もある。
 macOS標準の画像表示アプリだと、トリミングを意味する「切り取り」のショートカットキーに"K"が割り振られている。この"K"は、なんの"K"だろう?
 独立した操作なので運指は関係ない。英語なら"Trimming"なので"T"の方が自然。象形文字っぽさもない。ひょっとして"Kiritori"の"K"?