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マスクと呼吸

by 唐草 [2015/01/01]



 年頭にあたって一年の抱負を述べたりするタイプではないので別の話題からスタートしよう。新年早々ピンチになった話でもしておこう。
 過去ログを読み返してもらえばわかるのだが、ぼくはほぼ毎年元日にサイクリングへ出ている。ちょっと離れた公園までひとっ走りしている。その公園には神社があって初詣の名所となっているが、ぼくは初詣をしに行っているわけではない。折り返し地点としてちょうどよい距離にあるからその公園へ向かっているだけだ。
 元日に走るのは、理由がある。道路が空いているからだ。夜でもないのに車道をスイスイ走れる。これが元日サイクリングを始めたきっかけだった。でも、年々お正月らしさは希薄になっていき、交通量も増えている。今日も、普通の休日よりは心持ち交通量が少ない程度で、車をよけながら路側帯を走っていた。お正月飾りを付けた車も少なく、油断すると今日が元日であることを忘れてしまいそうな雰囲気だった。
 この年末年始で一番お正月らしさを感じたのは何だっただろう?去年の暮れにホームセンターでエレクトリックミックスされたお正月ソングを延々聞かされた時がハイライトだったかもしれない。
 時折風花の舞う寒い街を一時間ばかり走っていた。帰り道で突然息苦しさを感じた。ブレーキが壊れてしまってタイヤが回らなくなったのではないかと疑うほどに力が入らなくなってしまった。本当に苦しくて狭い水槽に入れられた金魚みたいに口をパクパクさせて息をしていた。
 なんで、こんなに苦しいんだ?
 寒いからか?なにかいつもと違うことをしたのだろうか?
 しばらく考えながら走って閃いた。
 今日は、マスクをして自転車に乗っていた。普段つけている口あての下に普通のガーゼのマスクをしていた。このマスクのせいで十分な呼吸量が確保できなくなっていたようだ。
 マスクを外して深呼吸をしたら息苦しさは一気に解消された。向かい風だった帰路。体への負荷が増えて呼吸量も増えたせいでマスク越しでは空気が足りなくなってしまったのだろう。
 新年早々、マスクのせいで酸欠でなりかけた。波乱の年明けとなったようだ。退屈なお正月にはいい刺激になったということにしておこう。