by 唐草 [2019/04/15]
親指の爪ぐらいのサイズのmicro SDカードが512GBもの莫大な容量のある時代となった。これは一昔前のハードディスクと同じ容量だ。10年前なら一生使い尽くせない程の容量だと思えたかもしれないが、2019年の感覚だと無限の広がりは感じられない。記録メディアの容量拡大スピードを上回る勢いで写真や画像、そしてアプリの容量が肥大化しているからだ。8GBのUSBメモリなんて、今では20世紀末のフロッピーディスクのように窮屈な容量でしかない。
ぼくのPS4に積んでいる500GBのSSDさえも容量不足を感じることがある。ゲーム1本50GBの時代となった今では、500GBはアーカイブとしての役目を果たせるサイズではない。
写真だって小さくてもフルHDサイズ。SNSを飛び交う写真の多くは、高性能なiPhoneのカメラで撮影されているので、JPEG圧縮されていても1~2MBは軽くある。ましてや4Kサイズが標準になりつつある動画なんて、DVDディスクには収まらない数GBが当たり前の世界となっている。
iPhoneアプリなんて超高解像度のアイコンを内蔵しているので、起動するだけの機能のない中身が空っぽのアプリを作ったって数十MBととなる。
WindowsやmacOSと言ったPCのOSだって機能が複雑かつ多様化していっているので、バージョンアップのたびに容量が大きくなっている。最小インストールでも20GBぐらいは必要かもしれない。
そんな時代に、たった5MBで何ができるだろうか?
このサイトに掲載されているFlashだって容量の大きいものは2.5MBぐらいある。10年前の基準からしても5MBはあまりにも小さい。もし今使っているPCのストレージ空き容量が毎日5MBずつ減っていったとしても気がつかないかもしれない。2019年の5MBなんて、そんな吹けば飛んでいくような誤差の一言で片付けられるサイズでしかない。
でも、5MBあれば最新のOSを保存することができてしまうのだ。
これには心底驚いた。
ストレージのコストが下がったことと通信速度が向上したことで、デジタルの世界はジャンクフードとスナック菓子しか食べない子供のようにブクブクと肥大化を続けている。でも、ごく一部の特別な世界では、自分お腹の肉を刃物で削ぎ落とすようなダイエットが行われている。
もちろんカラクリがあるんだけれども、alpine Linuxは5MBの極小サイズなディストリビューションだ。
今のぼくは5MBで何ができるだろうか?駄文を重ねるだけで、きっと実りあるものは何も作れない。