by 唐草 [2020/08/07]
スマホゲームの多くがソーシャルゲームと呼ばれている。ソシャゲと略されてすっかり本来の意味を忘れかけてしまっているが、ソーシャル性のあるゲームという意味だったはずだ。とは言え、これではどこかの知事が会見中に繰り出す英単語混じりの説明と同じでサッパリ意味が伝わらない。
もう少し噛み砕いて説明をするとプレーヤー間に間接的な繋がりがあるゲームという意味だったはずだ。直接対戦したり協力プレーをすることはないけれど、スコアを競い合ったり、強いキャラを貸し出したりするような関係性があることを指していたと記憶している。だから、ネット対戦ゲームや大規模MMORPGのことをソーシャルゲームとは呼ばない。
最近ぼくが毎日せっせと1日3回のログインボーナスを集めているゲームは、ランキングバトルもあるし、レイドボスもいる。間違いなくソシャゲである。多くの人と交われば、きっと興奮の冒険が待っているのだろう。
だがそれは、ぼくには無縁の話のようだ。
ぼくはギルドマスターをしているのだが、団員はぼくひとりの孤独のギルドだ。レイドバトルはソロだし、協力要素は利用不可能となっている。他のギルドに入るという手もあったのだが、どこも軒並みソロギルドばかり。数少ない賑わっているギルドはすでに満員であった。
フレンドも初期におすすめリストから申請した4人しかいない。フレンド10人達成のトロフィーが欲しいので、毎日5人づつおすすめリストから申請をしているのだが、返事が帰ってきた試しはない。
ぼくのデッキが見るからに無課金勢だと分かる構成だから無視されているのだろうか?確かにSSRのキラキラしたカードは、ログインボーナスで貰えるやつしか持っていない。でも、無視されるほどは弱くないはずだ。ギルドだって「無言OK」を掲げて緩く運営している。
それなのになぜ誰もギルドの門を叩いてくれないし、フレンド申請を受け取ってくれないのだろうか?
ぼくはある仮説を立てている。それはとても悲しい仮説である。
すでにこのゲームで遊んでいる人なんてほとんどいないのではないかという仮説だ。フレンド申請は無視されているのではない。ログインしている人に届いていないのだ。これでは無人島からボトルメールを放り投げているのと同じ。寂しいが、かすかな希望を胸にボトルを海に投げることが心の支えなのである。