by 唐草 [2023/03/23]
先週末、納品日前日にリモートPCが停止したという悲痛な叫びを書いた。マーフィーの法則を信じるに足る悪夢のような出来事だった。
代替機を用意できたので事なきを得たが、作業に支障が出たことは言うまでもない。首の皮一枚で切り抜ける危うい仕事となった。
今日は問題を起こしたPCを再稼働させることにした。
問題のPCは、ファンも回っておらず完全に沈黙していた。ゲーミングマザーボードなので、LEDが呼吸するように光を放っているだけ。
ネットワークエラーでもなければ、フリーズでもなかった。まるで電源を落としたように沈黙していた。
どうして電源が落ちたかは分からないが、ぼくにできるのは過去を推測することではなく、目の前のPCの電源を押すことだけ。いつものように電源を押した。
息を吹き返し、大型CPUファンが回り始める。それもつかの間。ブチッと電源が切れた。
嫌な感じだ。これまでの経験が危険を告げている。データを守るためにディスクを外し、他PCへの影響を避けるためにLANケーブルを抜いた。
そしてもう一度電源を押す。
予想通り同じことが繰り返される。
映像信号すら出ないところを見るとかなり危機的。マザーボードのLEDは自己診断失敗を告げている。メモリかマザーボードのどちらかが壊れているような致命的な問題が起きているだろう。
8枚のメモリを1枚ずつ確認した。
1枚目、起動しない。
2枚目、起動しない。
3枚目、起動しない。
4枚目、起動成功!
5枚目、起動しない。
6枚目、起動成功!
7枚目、起動成功!
8枚目、起動しない。
悲痛なカウントを重ねていく姿は、現代版お岩さんのよう。メモリなんて滅多に壊れるものじゃないのに8枚中5枚もダメになっていた。自分のPCでメモリが壊れた経験なんて1度もないのに。
起動したBIOSを見るとクロックアップモードになっていた。メモリ電圧も高くなっていたので、この設定がメモリを焼いたのだろうか?正直、原因はよく分からない。でも、ぼくにとってどんな怪談話より背筋が凍る出来事だったことだけは確か。