by 唐草 [2015/04/12]
今日は、天気が良かったので近所を自転車で回って新緑を愛でてきた。
その途中で、大きな霊園に寄ってきた。霊園の中は、いつだって空いていてサイクリングにはうってつけの場所だ。墓場が暗く湿っているなんて言うのはステレオタイプなイメージに過ぎない。実際は木々が広がる適度に管理された心地良い場所だ。
霊園を走り回っているうちにあることを思いついた。
そうだ、墓参りをしよう。
この霊園に我が家の墓があるわけではない。この歴史ある霊園には、歴史の教科書に名を連ねるような著名人が多く眠っている。以前、何名かの墓の場所を調べたことがあった。その記憶を頼りに偉人の墓参りなんて言う歴史オタみたいなことをしようと思ったわけだ。たまには、こういう文化的(?)なことをしてみるのもおもしろい。
探したのは、ぼくが敬愛する江戸川乱歩の墓だ。
場所は分かっている。霊園の隅っこなので分かり易いらしい。
目的の区画を散策するも一向に「江戸川家」の墓が見つからない。ぼくが場所を勘違いしていたのだろうか?
あっ!大きな勘違いをしていた。
でも、それは場所じゃない。名前だ。
江戸川乱歩は、エドガー・アラン・ポーをもじったペンネーム。本名ではない。乱歩個人の墓であれば、墓石に江戸川と書かれているかもしれないが、日本の墓は個人の墓ではなく家の墓。そのため、ペンネームが墓石に刻まれているはずもない。
乱歩の本名はなんだったっけなぁ?なんだか、ごく普通の名前だったはず。乱歩ファンを自称しているが、本表がサラッと出てくるほどのファンではない。
名前を思い出せないまま墓場を見渡すとすべての墓石が怪しく見えてくる。「武者小路」のような特徴のある名字でもないし、「佐藤」「鈴木」クラスのメジャーな名字でもない。とは言え、1学年に1人ぐらいはいそうな名字だったような気がする。
ダメだ。どの墓石を見ても違うように思えるし、同時に正しいようにも思えてくる。
岡本太郎の墓みたいに墓石に特徴があれば探し出せるんだけどなぁ。
思いつきで墓参りを試みたが、知識が足りなくて目的を果たせなかった。残念。