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IQ85

by 唐草 [2024/01/19]



 「ダニング=クルーガー効果」という自己評価に関する実験報告がある。簡単に言えば、能力の高い人ほど自己評価が低くなりがちという話。
 この研究報告は、対象サンプルが少ないし、テスト内容も偏っているのであまり信頼性はないと思っている。だが、研究精度が高いことと人々の好奇心を惹きつけることはまったく別。そのせいか、同じく信頼性に欠ける監獄実験と並んでネットで目にすることが多い。
 真偽はどうあれ、能力の高い人ほど自己評価が低くなりがちという話は感覚的に受け入れやすい。賢い人は、大学のような知性が求められる場所に集うので自分とは異なる賢さや優秀さを目にすることが多い。だから謙虚になる。そんなイメージが湧くからだろう。
 「ダニング=クルーガー効果」が広く受け入れられていると知ったぼくは、これを利用しようと企む。己を優秀に見せるために、ありもしない実績を盛って自分をきらびやかに見せるよりも、自分の評価を低く見積もっているふりをするのが効果的だと考える。
 しかし悲しいかな、本当に能力が低いぼくのような人間が自分を低く評価するととてつもなく低い評価になる。
 「ダニング=クルーガー効果」の実験では、80点取る優秀な被験者は70点ぐらいだと自己評価して、50点しか取れない成績の悪い被験者は60点ぐらいだと自己評価していた。つまり、優秀な人間の低い自己評価は凡夫の背伸びより高い位置にあるのだ。
 ぼくが実際の位置から賢者のマネをして低めの自己評価をしたらどうなるだろうか?日本語すら怪しいレベル、四則演算は引き算で躓くレベルだろう。IQ85ぐらいな感じにならざるを得ないはずだ。こんな能力では誰からも見向きされない。
 やはり、「英語話せます」とか「IQテストは109でした」ぐらい言わないと箸にも棒にもかからないだろう。つまり、普通の人は就活の面接のようにちょっと盛るぐらいが自分を優秀に見せるのにちょうど良いのだろう。おそらく平均以下のぼくは、十分に自分を盛っても平均にすら届かないかもしれない。
 「ダニング=クルーガー効果」を利用して自分をよく見せる作戦はダメそうだ。悔しい。