カレンダー

2018/11
    
 
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

不人気の証?

by 唐草 [2018/11/12]



 今の職場である大学の敷地は結構広い。ぼくが学生時代を過ごした母校の大学は、敷地がとても狭い大学だったので余計に広く感じているのかもしれない。教員によっては校内を自動車で移動していたりもする。ぼくは学生と同じく徒歩移動だけど。
 各校舎に自販機が設置されているのだが、メーカーはバラバラである。ある校舎はコカ・コーラ社の自販機だが別の棟ではキリンの自販機だったりと建物ごとに各社の縄張りがあるような勢力分布である。どんな風に縄張りが決まったのかは知る由もない。
 この状態を様々なベンダーのドリンクが楽しめると好意的に捉えることもできるかもしれないが、ぼくはその考え方に懐疑的である。無駄に敷地が広いので、コカ・コーラが飲みたいと思っても場所によっては長旅を強いられる可能性がある。いくらコーラを飲みたくても遅刻を選ぶのは得策ではない。だから、自ずと購入する飲み物は決まってしまう。
 ぼくが配属されている棟に設置されているのはキリンの自販機だ。缶コーヒーのラインナップが比較的に厚いので個人的には満足している。だが、気になっていることがある。
 どの商品も大学に設置されているからと言って学割価格で販売されているようなことはない。どれも定価である。だが、1つの商品だけ大安売りをしているのだ。500mlペットボトルの相場は150〜160円だろう。ところが、500mlペットボトルで販売されているキリンメッツのライチ味だけは110円という消費税3%時代を偲ばせるような価格設定となっている。
 なにゆえ、こんなにも安いのだろうか?期間限定キャンペーンとかそういうわけでもない。110円が通常価格である。
 ライチ味のソーダだけ原価がタダ同然ということはないだろう。販売価格というのは需要と供給のバランスで決まるものである。
 このことから導き出せる結論は、ただ1つ。
 超絶不人気だということだ。
 なぜ不人気なのだろう?メッツがマイナーなブランドだからだろうか?いや、無駄に広い敷地のせいで自販機選択の自由はないに等しい。メジャーなものを選り好みできる余裕はないはずだ。だったら残る推理は、シンプルなものしかない。
 2度と買いたくないほどマズイという可能性だ。
 この推測は、ぼくの好奇心を大いに刺激した。110円の冒険なんて安いものである。早速買って飲んでみた。
 強炭酸で目がさめるような刺激的がノドに心地いい。ライチの味は完全に人工甘味料だろう。でも、そのフェイクっぽさがチープな駄菓子を連想させてくれる。毒々しい色のお菓子が妙に魅力的に見えるのと同じように嘘っぽさが飲んでいて楽しかった。
 これが110円ならぼくにとってはお買い得である。