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10連休

by 唐草 [2019/05/01]



 たぶん中学生の頃だったと思うけれど、5月1日を祝日にしてしまえばオセロのように4月30日と5月2日を祝日にできるという話を聞いた。そんな素晴らしい法律があることを知ったぼくは、メーデーだろうがなんだろうが口実なんてどうでもいいからとにかく5月1日を祝日してくれと心から願ったものである。その後もゴールデンウイークの歯の折れた櫛のような休日の並びを見るたびに同じことを考え続けてきた。きっと同じことを考えていた人は少なくないはずだ。
 あれから何年が経ったことだろう。中学生のときから何ら成長のないまま、ひとり寂しく5月1日を祝日にすべきだと声を上げていた。もっとも声を上げているだけで、なんのアクションも起こしてはいないけれど。
 永遠に叶うことのない願いとさえ思えた5月1日祝日化が、改元という予想もしていなかった形で現実のものとなった。願いは1年限りであるけれどついに叶ったのだ。しかも最高な形で土日を巻き込んでいるので、毎日が夏休みならどんなにハッピーだろうかと考える中学生のぼくですら考えなかった未曽有の10連休がカレンダー上に出現したのである。
 中学生の頃から一貫した主張を続けてきたぼくは、諸手を挙げて10連休を歓迎している。きっとこの超大型連休を経験することで日本中が、ぼくの主張の正しさを理解するだろうと期待していた。
 だが、どうだろう。連休前から10連休は、あまり歓迎されていないムードがあった。
 サービス業の人々は祝日が書き入れ時なので休むわけにもいかない。その結果、悪夢の10連勤となってしまう。医療関係も10連休の間閉鎖されていたら死体の山が築かれてしまう。また、パートタイムで働く人々は10日間収入なしという厳しい経済状況に陥ってしまう。日本中で一斉に休みになるため、休める人と休めない人の明暗がくっきり分かれてしまった。
 おかしい。こんなはずではなかった。中学生の頃のぼくは、もっとバラ色で楽しいゴールデンウイークがくると信じていたのに。
 一連の騒動を見ていて思ったのは、日本人は休みに慣れていないのではないかということである。働いていないと不安になるという人もいるようだが、そっちの話では無い。自分が休みの時でも世間がちゃんと機能していないと許せない人が結構いるのではないかと感じている。多くの人が働きすぎて成り立っている日常なのに、それをノーマルとして認識されてしまっているのだろう。
 自分が休みなら相手も休みだと考えよう。だから日常が回らなくても平気。むしろ店を開けてくれてありがとうぐらいのおおらかさがないと連休を楽しむことなんてできないんじゃないの?
 こんな不安を感じていた連休前だったが、いざ連休に突入したら改元のせいで、世間はお正月のようなお祭ムードになっている。おかげで、今がゴールデンウイークだということを忘れてしまいそう。まぁ、「10連休なんてクソだ」っていう社畜根性むき出しの意見が世間を席巻しなくて安堵している。ほらほら、来年も10連休欲しくなってきたでしょう?