by 唐草 [2024/03/27]
今、新作フリーゲームとして『ギコネコ3』を作っているが、当初は新作を作るつもりは毛頭なかった。Unityの習熟を第一に考えていたので2004年に作ったFlashゲーム『ギコネコ2』のリメイクを作るつもりだった。
既知のものを作り直すことで得られることは意外と多い。経験のある分野において自分に欠けているものを確認する際は特に有効なアプローチだと考えている。狙い通り、分厚い教本を買う以上の学びがあった。学べたのは偏った内容かもしれないが、ぼくがもっとも欲するものだ。
だが、リメイクだけでは十分な学びとは言えないと感じた。そもそも『ギコネコ2』が不完全なゲームだったからだ。少なくとも今のぼくは、純粋なリメイク版の『ギコネコ2』で遊んでも満足できない。それが無料だったとしてもだ。
という訳で、「あれが欲しい」、「これもいれたい」と様々な要素を加えているうちに方向性が大きく変わっていった。ついにはリメイクと呼ぶのを止めて新作を作る覚悟を腹に決めたのだった。
それでも、Flashで作った『ギコネコ2』のビジュアルの雰囲気を可能な限り残したいと考えていた。今となってはちょっと古くさいUIを採用しているのもそのせい。
新作もかなり形になってきたので新旧の比較画像を用意して「ほら高い再現度で、3Dになっても全然変わってないでしょ!」というアピールをしようと考えた。
だが、大きな問題に直面した。
手元にFlashファイルはあるが、それを再生するプレーヤーがなかったのだ。
なんだか押し入れから死蔵されていたビデオテープを見つけたときのような気分。まさか再生装置が消えてなくなるなんて考えてもいなかった。だが、ぼくは諦めなかった。古いバックアップを漁り、どうにかプレーヤーのバイナリを回収した。
そして『ギコネコ2』を再生して驚きの声を上げた。
「画面、ちっさ」
表示倍率を間違えたかと思ったが、そんなことはなかった。サイズはたったの450 x 350px。
これが20年のギャップか。思いもよらぬところでデジタル機器の進化を思い知らされることとなった。