by 唐草 [2017/08/26]
ベッドを回転させたい。と言っても、モーターでグルグル回るちょっとピンクな雰囲気の回転ベッドの話ではない。もっと単純な話である。自分のベッドをぐるっと180°回して頭と脚の位置を逆転させたいだけ。
回転させたいのには深い理由がある。
自室で使っているベッドは、購入して15年以上経っている。ベッドをギシギシ言わせるような激しい使い方はしていないとは言え、さすがに15年以上使っているとガタが出てくる。
ぼくのベッドは、ベッド兼ソファーというような使い方をされている。寝る位置もいつも一緒だし、座る位置もいつも一緒。そのせいで、ベッドの一部だけ、具体的に言うと座った際に尻の下に来る部分だけ触り心地が固くなっている。きっと長年にわたる尻の圧を受けていてベッドのクッションがやせてスプリングがくたびれてきたのだろう。
そのせいで、ここのところ座り心地が悪くなってきている。ぼくの尻は、座り心地に文句を付けている。
このまま同じ位置に負荷をかけ続けると「ベッド内部のスプリングがダメになってしまうのではないか?」という不安もある。マンガ的な表現でよくあるスプリングが飛び出たベッドになってしまうのではないかと危惧している。1ヵ所でもスプリングが飛び出てしまったら、もうベッドとして使えない。
そうなる前に、尻が当たる位置を変えたい。だからこそベッドを180°回転させたいのだ。
普段脚を置いている側は、まだまだ快適な柔らかさが残っている。やせた感じもスプリングがくたびれていそうな感じもしない。ここだったらぼくの尻も喜ぶことだろう。
だから、ベッドを一刻も早く回転させたい。そうは思っているのだけれども、なかなか事は運ばない。パソコンやら本棚やらが倉庫番の終盤ステージのように無秩序に置かれているぼくの部屋には、ベッドを回転させるだけのスペースが存在しない。
ベッドを回転させるためには、まず部屋の大掃除から始めなくてはならない。自分の尻の不満を解消するためだけにこのクソ暑い中、大掃除をする気が起きない。
ぼくの気力が高まるのが先か、それともベッドからマンガのようにスプリングが飛び出るのが先か。先の読めない展開が続きそうだ。