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2015/02
       
       

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リアの車軸が

by 唐草 [2015/02/02]



 声を大にして言おう。
 ぼくは、働くのが大キライだ。何もしないでダラダラゴロゴロしながら猫と暮らしていたい。
 とは言え、親の遺産があるわけでもないし(そもそも親は健在だ)、謎の不労所得があるわけでもない。猫のエサを飼うためにも働かなくてはいけない。だが、どうせ働くのなら最小限で済むようにしたい。働きたくはないが、働かなくて済むための努力ならどんなものでも厭わない。
 その努力の結果、今月のぼくはほぼニート状態だ。近所の人々からは、間違いなくニートだと思われているだろう。一向に構わない。
 ニート状態ならその状態を最大限利用しなくてはもったいない。
 もっとも簡単な活用方法は、平日に買い物などへ行けることだ。まっとうに働く人々で混雑した土日に出かける必要なんてどこにもない。平日に、セレブのように悠々と出かければいい。
 という訳で、今日はメガネやらお菓子やらを買いに行く予定だった。
 「予定だった」という書き方から推測できるかもしれないが、ぼくの目的は果たされなかった。家を出たのに買い物には、行けなかった。
 駅に向かっていつものように自転車をこいでいたのだが、半分も行かないうちに異音に気がついた。後輪のあたりから何かが擦れるような音が聞こえてくる。
 ブレーキがリムに当たっているのだろうか?イヤな音なので自転車を止めて様子を見た。
 ブレーキを外して確認をしてみたが、ブレーキ周りには問題が無いようだ。後輪の車軸のあたりから擦れるような音がしている。後輪1回転に付き1度音がする。なんだかイヤな予感がする。車軸の中に収まったベアリングが割れたのかもしれない。もしそうなら一大事。ぼくひとりでは直せないので、修理に出すハメになる。
 深刻な破損の可能性のある自転車で駅まで向かうべきか?それとも自転車を労り、ここで引き返すか?
 しばらく迷ったが、ぼくは引き返すことを選んだ。なにせニートには時間がたっぷりあるからね。
 家に戻るなり後輪を外していろいろと確認をした。もっとも後輪をばらせるほどの工具は持っていないので、目視が中心だ。明らかにグリス切れを起こしていたし、そのせいでグリスが入るべき場所がドロにまみれていた。グリスを注入したら、真っ黒に汚れたグリスが吹き出してきたときには日頃の整備不足を大いに反省した。
 幸いなことに大きな破損は無かったようだ。グリスの注入と清掃だけで異音は収まった。でも、このメンテに2時間もかかってしまった。おかげでお出かけは、中止に…。