by 唐草 [2015/12/02]
カップうどんやカップそばに入っている小さなカマボコが昔から好きだ。
いや、好きという表現は適切ではないかもしれない。食品として好きなわけではない。味はほとんどしないし、薄すぎて食感も乏しい。本物のカマボコと比べたら、あのミニカマボコは偽物でしかない。
好きと言うよりも、愛らしさを感じると言った方が正確だろう。
小さいけれど、立派にカマボコらしく見えるさまに愛おしさを感じてしまうのだ。あの小さなカマボコも、切られる前は生意気にも板の上に載っているのだろうか?そうだとしたら、その様子は精巧なミニチュアのように見えるのではないだろうか?
あの薄さも驚異的だ。本物のカマボコを包丁であの薄さに切るのはなかなか困難な仕事だろう。機械だからできる工業製品的な要素を色濃く感じられる。
カマボコであって、カマボコでない。そんなおぼろげなイメージが、昔からぼくの中にはある。