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昔の貴族のように

by 唐草 [2024/01/06]



 電動歯ブラシが壊れてしまったので、今は普通の歯ブラシで歯を磨いている。そして、思いもよらない事態に直面している。
 10年以上電動歯ブラシを使い続けてきたので、手が歯の磨き方を忘れてしまっていた。歯ブラシを歯にあてがうことはできても、ブラシを小刻みに動かしながら立体的な歯を隙間なく磨くことができずにいる。歯ブラシをイメージ通りに動かせないといった感じだ。
 電動歯ブラシが壊れて初めて知った電動歯ブラシへの依存度。ぼくは毎日きちんと自分で歯を磨いていたつもりだったが、実際のところは電動歯ブラシを口に加えて、後は機械の動くままに任せていただけだったようだ。これって昔のヨーロッパの貴族が自分ひとりでは着替えられなかったのと似ている。なにもぼくが貴族的だと言いたいわけではない。誰かに依存しきって自発的な行動ができなくなっていると嘆いているのだ。
 もちろんこのまま普通の歯ブラシを使い続ければ、日々のブラッシングがリハビリになる。おそらく1週間もすればそれなりに歯磨きをできるようになるはず。
 だが、きっとその日は訪れない。なぜなら、新しい電動歯ブラシを買う気満々だからだ。すでにAmazonでいくつかの商品を吟味している。
 壊れたモデルはPHILIPSの廉価モデルだった。たしか3,000円台で購入したはずだ。PHILIPSの製品に満足しているので、次もPHILIPSの似たグレードの製品でいい。そう考えながら検索していたら2,700円ぐらいの商品が見つかった。
 これは買いだな!
 と思ったら一桁違っていた。27,000円だった。何をどうすればブルブル震えるだけの電動歯ブラシが、こんな高価なお値段になるのだろう?製品詳細を確認するとスマホと連動して歯の磨き具合をアプリで確認できるとか書かれている。
 今の電動歯ブラシってBluetoothを搭載しているのか…。しかもUSB充電らしい。もうそれってもはや口に入れられるスマホではないか?
 そんな高いものはぼくには不要。これまできちんと歯磨きできていたのだから従来どおりのブルブル震える最低限の機能さえあれば十分だ。