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星空に足りないもの

by 唐草 [2024/01/25]



 昨日、500時間遊んでも『STARFIELD』の評価は変わらなかったと書いた。つまらないわけでも退屈なわけでもない。初めて遊ぶゲームなのに初めてな感じがしないことが問題だというのが、ぼくの評価だ。
 厳しい言葉を並べて非難するのは簡単だ。でも、それだけでは無責任。もう少し踏み込んで何が足りなかったのか、そして何があれば満足度が上がったかもしれないかを考えてみたい。
 まずは世界の狭さ。この狭さは物理的な狭さではない。バリエーションの少なさに起因する。同じアセットを使いまわしているので、どの星の風景も似たものになっている。正直もっと多くのアセットがほしい。同じ素材を使いまわしているのは、すべてが人間の建造物という設定のせい。シナリオ的に宇宙人を出しにくいのが裏目に出ている。
 ゲームには3つの勢力がある。でも、いずれも200年前に地球を飛び立った人間であることには変わりない。せっかく宇宙に飛び出し1世紀以上経っているんだから、もっとど派手に見た目や文化を変えてほしかった。
 例えば、宇宙に適合するために遺伝子改良を続けて異形な姿になった人。肉体を捨てて機械の体を選んだ人。発達したAIから生じた機械生命体。この手の既視感のあるものでいいので登場してほしかった。異なる文化と肉体を持つ勢力がいれば、アセットの種類も増えて、星の人工物も特徴的になるだろう。
 次に周回要素。『STARFIELD』で独特なのが周回要素だ。平行宇宙へ移動するという設定で強くてニューゲームがシナリオに組み込まれている。このおかげでシナリオ分岐を手軽に楽しめる。
 だが、もとの世界に戻ることはできない。だから、無責任に元の世界を捨ててきた印象が残る。ぼくは結婚イベントのバリエーションを見たくて周回した。ハッキリ言ってマルチバースを股にかけた浮気である。
 仕組み的に元の世界に戻るのは無理だ。それでも次の世界に裸一貫で行くのではなくて、元いた世界の痕跡を見つけられるものが欲しかった。装備の1つでも次の世界に持ち込めて、どこかで再開できる。そんなノスタルジーに浸れる瞬間も欲しかった。