by 唐草 [2020/01/12]
ぼくのタブレットには、メールソフトのOutlookがインストールされている。
Outlookの名称は、Windows 98以前からあるはずだ。何度も消えそうになったが、そのたびに代替の新サービスが微妙だったのでしぶとく生き残っている。
生き残ったOutlookは優秀だったのかと言えば、そうではない。特に無償版のOutlook Expressは、ひどいセキュリティーのせいでウイルスの温床となったこともある。IE (Internet Explore)とOutlookは、Microsoftの取り付いた呪いの悪霊のような存在だと言えよう。
過去に一悶着も二悶着もあったソフトなので、ぼくのOutlookへのイメージは最悪。正直言って、自分のPCやスマホにはインストールしたくない。でも、仕事でOffice 365アカウントを使わざるを得ないので、苦渋の決断の結果として導入している。この事実は、タブレットの中のシミ汚れのようである。
先日からずっとメールサーバと格闘しているので、送受信テストにOutlookも使っていた。メインのメールボックスと迷惑メールフォルダを見つめて、早くメールが届かないものかとヤキモキしていた。メールサーバの設定に悪戦苦闘していたので、どちらのフォルダにも未読メールの数を示すバッジはつかないままだった。
そんなぼくの気持ちをあざ笑うかのように、ゆっくりとバッジの数字を増やしていくフォルダがあった。それが下書きメールフォルダだ。
自分宛てのテストメールを書いているだけなのに、バッジの数は217まで増えていった。アプリとしては、217通もの未送信メールがあると主張しているのだ。
そんな訳があるか!
下書きフォルダを確認したら、同じメールが90通近く未送信扱いとなっていた。原因は、定時の自動保存がすべて別物扱いされていたため。また、先日書いたメールも数文字増えるごとにバックアップが生成されていた。優柔不断なぼくの執筆の足跡をログとして残しているかのようであった。
自動保存は便利な機能だが、数分ごとに別名保存する必要は感じられない。また、送信したらすべての下書きを破棄してほしい。
結局のところ217通の下書きは、たった3通の送信済みメールの亡霊でしかなかった。