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早朝の判断

by 唐草 [2015/01/23]



 今日は、新しい仕事の面接が入っていた。業務内容はぼくの得意分野なので二つ返事で受けても良いと応えていた。ハッキリ言って、明日からよろしくと言われても対応できるような内容だった。
 そんな好条件のせいで、ぼくは大きな勘違いをしていることにまったく気がついていないまま面接の日を迎えようとしていた。
 そのミスに気がついたのは、一昨日のこと。否が応でも当日になれば気がつく事だったが、本当に致命的な勘違いをしていた。
 ハッキリ言おう。職場の場所を完全に勘違いしていた。
 まったく聞いたことのない場所だったら、始めにちゃんと調べたことだろう。でも、人づてに聞いたことのある場所だったので、自分の思い違いにまったく気がついていなかった。
 完全にぼくのミス。
 片道2時間以内だと思っていたのだが、検索をしてみたところ、うまく乗り換えをすることができても最低2時間40分はかかることが発覚した。それもそのはず、最寄り駅と乗り換え駅を完全に勘違いしていたのだから。2時間でつくのは乗り換え駅まで。そこからもう一本電車に乗らないと職場へはたどり着けない。そんな致命的な勘違いをしていた。これは、とてもじゃないけれど通勤できる距離じゃない。経路検索をすると普通に新幹線が出てくるような距離なのだ。
 このことに気がついて以来、面接はより気が重いものとなった。
 如何にして丁寧に辞退するか。
 場所を勘違いしていて通勤が現実的でないことを素直に告げるべきか?それとも、職務上掛け持ちが許されているので、もう一方の契約のせいにして断るべきか?はたまた仮病を使って(幸いなことにインフルエンザ大流行中)、面接をキャンセルするか?面接中に就任辞退の話を繰り出すタイミングはどこにするべきか?
 ありとあらゆるパターンを想定して脳内シミュレーションを繰り返してきた。
 いくらシミュレーションを重ねても、効果的と思える打開策は見いだせないでいた。
 そして、ある根本的な疑問にぶち当たった。
 そもそも、2時間40分かけて断りに行くこと自体に意味はあるのだろうか?相手側も面接の準備とかいろいろあることだろう?いっそのこと面接を辞退した方が、直接出向くより合理的なのではないだろうか?と。
 誠意を取るか、それとも合理性を取るか?この狭間に揺れて、眠れぬ夜を過ごしていた。
 ウトウトしたような気もするが、気がついたら午前5時になっていた。
 結論を出そう。
 という訳で、日の出前に全身全霊を込めて面接および就職辞退を告げるお詫びメールを書いて、寝た。