カレンダー

2015/04
   
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

箱捨てられない病

by 唐草 [2015/04/28]



 昨日より押し入れの片付けをしている。片付けに片付けを重ねていたので、もう捨てる物なんて無いだろうと思っていた。でも、価値観は変容するものだ。小学生低学年の頃に遊んでいたおもちゃが発掘され、それを捨てるか否かで迷っていた。
 前に片付けをしたときは、懐かしい思い出だからとっておこうと思っていた。今は違う。過去を懐かしんで飾る事もないし、当然遊ぶこともない。だったらもう処分していいのでは無いだろうか?小さい頃に手荒く扱っていたので、折れてしまったり無くなってしまった部品もあるのだから…。
 迷いに迷って、結局処分することを選んだ。
 懐かしのおもちゃは処分できたのだけれども、捨てられなかった物もあった。
 それは、ゲーム機やPC関連機器の箱だ。
 ぼくは、購入した機器の箱を大切にとっておくクセがある。クセと言うより性癖とでも呼んだ方がいいぐらいのこだわりがある。
 箱をとっておくというと箱だけ残っているような印象があるかもしれないが、その認識なら間違いだ。
 箱に入っていたすべての物をとっておくクセと言い直した方が正確だ。
 説明書などの紙は当然残っている。それどころかコントローラーを包んでいたビニール袋やケーブルを束ねていた針金、端子の保護をしていたスポンジまで捨てずに残している。そのため丁寧に包み直せば購入時の状態に戻すことも不可能でない。
 そんな訳で、押し入れの中にはいくつもの機器の空箱がしまわれている。
 なお、大きな空箱を開けると中には小さな機器の空箱が入っている。まるで空箱のマトリョーシカだ。
 片付けるのは好きだし、物は可能な限り持ちたくないと考えている。
 だけれども、どうしても空箱だけはなかなか捨てられない。箱の中身が壊れて処分する日まで空箱を大切に保管してしまう。これは、ちょっとした病のようなもの。