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まんじゅうの呪い

by 唐草 [2015/06/07]



昨日から続く
 
 大阪2日目。最悪の朝となった。どうにも気分がすぐれない。お腹が空きすぎて気持ち悪いのだろうか?9時ぐらいまで様子見をしていたのだけれども体調が改善しない。朝食の時間も終わってしまうので、フラフラしながらレストランへと向かった。
 朝食バイキングを付けたことは失敗だったと感じながらも、ごく少量のスクランブルエッグとソーセージをつまみながらパンを食べていた。手が言うことを聞かずにソーセージを床に落としたりと動作も不確かだった。いつものクセでコーヒーを飲んだのだったが、これが致命傷となった。
 気持ちの悪さが、気分が悪いというレベルではなくなった。必死にゲロを我慢しているレベルまで高まってしまった。これはすごく危険な状態だ。部屋に戻るとシャワールームの扉を開けて、さらに便座まで上げて最悪の事態に備えていた。
 ベッドで横になりながらコンビニで買える胃薬について調べる。錠剤は薬品だから売っていないらしい。コンビニで買えるのは液体のドリンクタイプの胃薬だけらしい。旅先でどうでも良い知識が増えていく。
 今、最悪に気分が悪い原因には心当たりがある。
 飲み過ぎではない。すべては、まんじゅうが悪い。
 昨晩、オフ会が開催された。そこで、おみやげ交換会となった。多くの人が地元の銘菓なんかを持ってきていた。店を出るときには鞄いっぱいのお菓子を手に入れていた。一方、オフ会を開催した居酒屋のメニューはお世辞にも美味しいとは言いがたいものだった。飲み放題がメインなのでしかたないだろう。ぼくは、ほとんど食事に手を付けないでいた。
 何も食べないような状態で宿に引き返したので、寝る前にひどい空腹を感じていた。胃は、グーグー言っている。手元にはまんじゅうなどの銘菓がたくさんある。2次会に参加していなかったため時間も早い。箱から出されたお菓子は、すでにつぶれかけている。
 ありとあらゆる状況が、ぼくにまんじゅうを食べろと言ってくる。
 気がついたらまんじゅう4個にクッキー1枚を平らげていた。
 軽く食休みをしたのだが、胃の中には大量の甘味が残っていたのだろう。このまんじゅうの残骸のせいで近年まれに見るひどい胸焼けを起こしていた。朝食のコーヒーがとどめを刺してしまったようだ。
 軽く一発胃液を吐いてスッキリした隙に這うようにコンビニへと向かった。そこで液キャベを購入。ドリンク胃薬の即効性に感激して、ようやく壁に手を付かないでも歩ける程度に復活をする。
 ただ、こんな状況でオフ会2日目の食い倒れツアーに参加しても、お好み焼きが酸っぱいもんじゃ焼きになるだけだ。元々あまり参加する気が無かったのもあったが、「集合時間に間に合わなくなったので先に行ってくれ」と嘘メールをして参加を見送った。なお、このメールは集合場所のビルの裏から送っていた。
 せめてお別れの挨拶ぐらいはしたかったが、言葉ではなく胃液でのコミュニケーションになりそうだったのでこれができる最大限のことだった。無用な心配はかけたくないし。
 結局、12時まで公園のベンチで死体のように横たわっていた。液キャベも1本では事足りず。乱用をしても副作用がないことを確認して2本目を買うハメになった。
 はぁ、参った。とんだ大阪旅行になってしまった。