by 唐草 [2015/06/10]
腹弱男のぼくは、さまざまな場所でトイレに篭もっている。駅、コンビニ、飲食店、そして職場。自分が普段動く経路のどこにどんなトイレがあるかを細心の注意を払って把握している。
現在のぼくの職場の1つは大学だ。マンモス校と言うほど大きな大学ではないが、敷地の端から端まで歩いて行けといわれたら十分にウンザリできる程度には広い。限られた数コマの授業しか受け持っていないぼくは、まだ立ち入ったことのない校舎の方が多いぐらいだ。
自分が利用する棟のトイレは、場所、改修具合、利用率まで把握している。時間帯によっては、いつ空くとも分からないトイレに並ぶよりも階段を駆け上がった方が早いということまで熟知している。
ただ、常に同じ棟の同じトイレを使用できるとは限らない。用事があって滅多に行かない棟に行くこともある。今日が、ちょうどそんな日だった。初めて入ったその棟のトイレは、ちょっと訳ありのトイレだった。
個室で腰を下ろそうとすると目立つ位置に大きな張り紙があった。そこには目を疑うような不吉な文字が書かれていた。
「このトイレは詰まりやすいので、流しながらご利用ください」
えっ?流しながら使うってどういうこと?普通に使ったら確実に詰まるってこと?
ズボンを下ろしたまま逡巡する。詰まるリスクを避けるために別のトイレに移動するか?それとも痛いお腹を抱えたまま移動するリスクを考慮するべきか?
迷っていたが、お腹が痛いという目の前の大問題を無視することは出来なかった。
今日のトイレ体験は、満員電車で予期せぬ腹痛に襲われるのとはひと味違う緊張感溢れる体験となってしまった。「完璧なものを作るのは無理だから運用でカバーしよう」。これはぼくがよく口にする言葉だ。このトイレも運用でカバーすることを試みていたのだろうけれど、ちょっと運用方法に問題がありすぎるのではないだろうか。
朝から上下水道インフラのありがたみを噛みしめることになった。
追記
結果的に2度流すことで問題は解決しました。