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楽しくない処理

by 唐草 [2018/02/22]



 今取り組んでいる案件も、ようやく最終工程に入った感じがする。もっとも最終工程と言ってもプログラム工学的に最後に行うべき工程という意味ではない。ひとりで好き勝手にコードを書いているぼくが、いつも最後に行っている工程という意味だ。要するにやりたくないので最後まで手をつけずに放置していたというだけのこと。好きじゃ無いおかずを最後まで食べないで残しているワガママな子供と同じ心理である。
 最後に残っているの処理は、エラーへの対処である。
 ぼくがプログラムを書く際は、早く動いているのを見たいという子供っぽい欲求がモチベーションとなっている。買ってもらったおもちゃの説明書を読まずに我流で組み立てて遊ぶようなものである。
 だから、最低限の動作をするようになるまでは、時に寝食を忘れ低血糖で手が震え出すまで体の異変に気が付かないほど集中している。耳栓をしていなくても周囲の音が聞こえなくなるほどの集中力を発揮する瞬間も、ごく稀にあったりする。だから、どんな形であれ動くものが目の前に現れるまでは全力を注いでいる。
 ただ、それはあくまで動くだけである。それも適切な条件がそろった限られた環境のみでの動作だったりする。
 子供っぽいという比喩が続いたので、初めて動いた瞬間の完成をプラモデルにでも例えてみよう。当然のことながら塗装なんてしていない。接着剤で止めるべき場所は、セロテープで巻いてあるだけ。まだ組み立てに使っていないパーツがいくつも残っている。ロボットだったら左右の腕を逆につないでいるかもしれない。そのぐらい雑なのだ。
 それでも、動いたことに満足している。不格好でもロボットが立った瞬間は嬉しいものだ。
 ここで公開するゲームならそれでも良いかもしれない。ただ、今作っているのは仕事として請け負ったものだ。フィギュアを買ったのに、セロテープだらけの作りかけのプラモを渡されたら誰だって怒るだろう。とても納品できるレベルには至っていないのだ。
 今のぼくのコードは、最低限の処理を付け焼き刃で結びつけたに過ぎない。ちょっとでもエラーがあればすべて破綻してしまうような脆いものだ。
 実行時の崩壊を防ぐためにいくつものエラー処理を追加していく必要がある。これが実に骨の折れる作業である。しかも最低限の動作を確認したので、ぼくはすでに満足してモチベーションが低下している。やりたくない作業を低いテンションで処理するという生産性の低い作業が待ち受けているのである。あぁ、めんどくせぇ。