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自然薯

by 唐草 [2018/02/25]



 今日は、自然薯専門店へ行ってきた。もちろん自然薯を食べるためだ。
 正直に告白しよう。
 ぼくは、自然薯がなんなのかよく分かっていない。長芋やら山芋のようなトロロ芋的なヌルヌルした芋の仲間だと言うことぐらいしか分かっていない。あとは、他のトロロ芋より長いこと、それとヌルヌル芋の中では高級だと言うこと。その程度の伝聞での知識しかない。味の違いや粘りの違いなんかを実体験として理解しているわけではない。
 トロロ芋は好きなので(山芋のソテーが特に好き)食べてガッカリと言うことは無いだろう。高級品とされる自然薯と他の芋の違いを自分の舌で確かめてやろうと意気込んでいた。
 スライスしただけの生の自然薯からすりおろしたもの、揚げたものなどさまざまな調理を施した料理を食べてきた。
 どれも美味しかった。でも、ぼくの舌ではその辺にある普通の山芋との違いを明確に把握することは出来なかった。ちょっと味が濃くて粘りが強いような気もしたけれど、それは目の前にあるのが自然薯であると言うことからくる先入観かもしれない。美味しかったのでおおいに満足しているのだが、自分の舌がバカなのではないかという一抹の不安が拭いきれない食事会となってしまった。
 最後に自然薯鍋というのを食べてきた。よくある水炊き風の鍋の上に大量のすりおろした自然薯がかかっているという豪快な鍋である。鍋のだし汁とトロロが良い具合に混じって、濃いトロロスープという感じになっていた。粘りけのあるトロロが鍋の具を優しく包み込んでいて、フワフワとしたトロロの食感を味わえる鍋だった。
 ただこの鍋、どうしようもなく見た目が悪い。
 その場にいた誰もが思ったことは間違いない。絶対に全員が、ゲロみたいと思った事だろう。少なくともぼくは、そう思っていた。美味しいゲロ。字にするとすごくイヤだ。でも美味しかったので、見た目のひどさは忘れてもう一度食べたいと思っている。