by 唐草 [2016/04/17]
出かけ先で信号待ちをしていたら、横にある小さな竹藪から聞き慣れない鳥の声が聞こえてきた。あまり美しい声ではない。雀でもないし何だろう?と思いながら空を見上げたら、細く黒いものがものすごいスピードで飛んでいった。まるでコウモリのよう。
でも、今はまだ日が高く昇っている時間。コウモリが羽ばたくには、早すぎるし、明るすぎる。
それに尾が長く見えた。
小さくて、黒くて、尾が長くて、素早く飛ぶ。そして、この季節に見られるとなると答は1つしかない。
ツバメだ。
ツバメを見ると初夏を感じると俳人のようなことを言うつもりはない。そもそもツバメを見ること自体が、何年ぶりかのようにも思える。
ぼくが小学生の頃、5月頃になると最寄り駅の改札口付近に毎年ツバメが巣を作っていた。それを見るのを楽しみにしていた。でも、それは想い出の中の遠い昔の話。最近では、ツバメの巣を見かけることはめっきり無い。
街が変わってしまったんだろうなぁ。矢のように滑らかに飛んでいく黒い影に自然が遠のいていることを感じてしまう。