by 唐草 [2020/02/16]
先日、名刺サイズの雷おこしのようなお菓子をもらった。米を加圧して膨らませたポン菓子を型に入れて整形したお菓子である。
今日はおやつにそのお菓子を食べて唖然としてしまった。だって、甘くなかったんだもん。
雷おこしやポン菓子は、甘いのが基本だ。だから、もらったお菓子も甘いだろうと思ってかぶりついた。口にしたものが期待に反して甘くなかったときって、こんなにも不快に感じるんだと思うほどまずく感じた。甘くないポン菓子は、まるで発泡スチロールを噛んでいるかのように不快だった。
ポン菓子というのは安い駄菓子のひとつだ。成立の歴史なんて知らないけれど、きっと安価なクズ米を無駄にしないで食べる方法として考案されたのだろう。蜜も綿あめのように砂糖を熱してかさ増しをしていることは想像に難くない。残念ながら貧しさから美味しくないものを食べざるを得ない状況におかれたときに、創意工夫で生み出した美味しい食べ方がポン菓子なのではないかとぼくは考えている。
だから、ポン菓子は炊いて食べるのに適さない米でも作れるのだろうし、素材の悪さを隠すための甘い味にも意味はあるのだろう。
近年の健康志向の高まりで甘いものは良くないという考え方や素材の質にこだわるべきだという考え方が蔓延してきている。この考え方は概ね正しいと思う。ただ、常に正しいわけではないということを忘れてはいけない。
今日食べた甘くないポン菓子は、健康志向的発想から作られた商品だろう。砂糖不使用で低カロリーで、素材の味を感じられる製法とも言える。言葉だけを並べると数年前に流行ったロハスとかに通じる精神を感じられそうだ。
だが、いくら意識が高くて健康的な食べ物であっても、まずかったら意味はない。誰が進んで発泡スチロールを食べたがるんだ?このマズイ菓子が、素材と製法にこだわるべきだという意識の高い考え方が万能でないことの揺るぎない証拠である。
不幸なことに食用発泡スチロールは3枚もある。捨てたいぐらいまずいのだが、食べられるものを捨てるのはぼくのポリシーが許さない。だから、頭が溶けそうなほど甘くすることにした。練乳をこぼれるほどドバドバとかけて食べてやったのだ。
ハイカロリーで甘いだけ。でも、なにより美味しい!やっぱりポン菓子は甘くないとね!