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模様替えの起点

by 唐草 [2021/05/31]



 試験前になると部屋の模様替えが進むという笑い話がある。ぼくにとっては笑い話でしかないのだが、冗談で済まない人もいるから長年に渡って語り継がれているのだろう。きっとそういうときの模様替えって試験を頭から追い払おうと必死になるので、本人もビックリするぐらい捗るに違いない。
 裏を返せば、純粋に模様替えをしようと思っても作業は遅々として進まないのかもしれない。やる気なんて本人ですらコントロールが難しい。どこかの塾の広告のように分かりやすいスイッチがついていれば良いのだけれども。
 今日のぼくは、意図せぬず模様替えスイッチが入ったようだ。初めから模様替えをしようとしていた訳ではない。幸いなことに試験からの逃避でもない。ぼくの模様替えスイッチが入ったのは、先日モニターの高さを調整したことに起因する。
 仕事机の違和感を払拭するために10年ぶりにモニターの高さを1cm高くした。24インチのモニターに対して1cmというのは小さな変化だと思えたが、そんなことはなかった。絶大な変化につながるであろう波及効果を生み出してしまった。
 モニターに向かう姿勢が変わったので、椅子に姿勢良く座るようになった。これまで椅子に浅く腰掛けていたのは、無意識に座高を高くしないようにしていたのだろう。そのため数cmだけ体が机に近づいた。その僅かな位置の変化で足先が机の下に置いてあるPC本体にぶつかるようになってしまった。
 せっかく快適に座れるようになったというのに脚が窮屈では台無しだ。根本から問題を解決するためにPCを動かすことにした。PCを動かくというのは、単純に本体を右から左へ動かすだけでは済まない。本体からニョキニョキ生える電源やら映像のケーブルを再配置する必要がある。でも、新たに置こうとした場所だとケーブルが届かなかった。棚を動かしてPCのためのスペースを新たに作る必要があった。
 こんな具合に、何かを動かすために別のものを移動させなくてはならないという室内玉突き状態に陥ってしまった。もうこれは部屋の模様替えと呼んで差し支えない。
 たった1cmモニターを高くしただけだったはずなのに、気がつけばとんでもない大事へと発展していた。