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なんでも冷蔵庫へ

by 唐草 [2023/06/11]



 Webアプリを作るために4ヶ月ぶりにPHPを書いた。
 書き上がったものを見て驚いた。
 眼の前にあったのは、まるでC#のようなお堅い雰囲気のPHPコードだった。
 PHPという言語は、20年前ぐらいからずっと「次に消える言語」だと言われ続けている。そんな厳しい声を投げかけられるのは、雑に書いても動いてしまうのでバグの温床になりやすいという言語のゆるさに起因する。自由といえば聞こえがいいが、無責任な言語仕様なのだ。
 それでも生き残ったのは、皮肉にも雑に書いても動くというゆるさによる部分も大きい。とにかく開発がしやすい。後先考えずにコードを書き始められるとっつきやすさがある。
 だからPHPは、思いつきで開発を始めて、飽きたらすぐに放置するぼくの性にピッタリとハマった。それはもう日本語に次ぐ第二の母語と呼んでいいほどの存在だった。
 そんなぼくだが、4月以降はゲーム開発のためずっとC#を書いていた。C#は、後発のプログラミング言語なので様々な言語の良いところを寄せ集めた感じで書きやすい。それでも、無責任なPHPに比べれば細かく厳格なルールがいくつもある。
 PHPから離れてC#に邁進していたこの2ヶ月でぼくは変わってしまった。
 関数名や変数名の大文字小文字の使い分けルールが厳密になった。さらに、データ型の扱いも厳格になった。PHPの変数には数値や文字列といった型がないので、それをいいことに雑なデータ管理をしがちだった。その雑さを許せなくなっていた。
 以前だったら「とりあえず配列に突っ込んでおけ」という方針で開発をしていた。これを実生活に例えると「食べ物も、服も、靴も、雑貨もなんでも冷蔵庫に入れておけばOK」という雑さ。
 C#をかじった今のぼくは違う。きちんとクラス定義をしてデータを管理しないと気がすまない。タンスと靴箱は違うものだと理解した文明人としての振る舞いができるようになったと言える。
 コードの可読性も上がったし、保守性も高まった。でも、書いていて肩がこる。PHPらしい野性味あふれる本能的なコードをウホウホ言いながら書きたい。