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壁の向こうに行くには

by 唐草 [2023/06/24]



 今、古典的なローグライクを作っている。ゲーム開発の復帰戦とも言えるこのプロジェクトにリメイクを選んだのにはいくつか理由がある。
 その理由は、Unityへの理解を深めること、ステージを作り込まなくていいのが個人開発向き、過去の栄光にすがりたいとか色々ある。
 だが一番の理由は、リメイクすることで自分の持っている知識とこれから学ぶべき知識をつなぐことができるからだ。経験のあることを別のやり方で再現すると、そのまま使える知識や経験と、これから学ぶべきことを見分けられる。習熟度を上げることに集中するなら、この方法が一番だ。
 その目論見は、うまくいっている。ただし、レールの上をスムーズに進んでいるのではない。むしろその逆。荒れ地を何度も転びながら進んでいる状態だ。
 荒れた道でも前へと進めるのは、過去の蓄積があるから。一方で転ぶのは、古い蓄積が通用しないからである。転ぶたびに自分に何が足りないかがハッキリする。
 抽象的な例えになってしまったので、具体的に書いてみよう。
 ぼくには今までの経験があるので、動くだけで良ければ何通りかの方法で実装できる。でも、どの方法が最適なのか分かっていない。
 なので、四の五の考える前に自分の得意な方法で作ってみる。そうすると、うまくいくこともあるけれど、多くの場合はどこかしらで無理が出る。無理が見つかったら、それをどうクリアするかを考える。小さな修正で済むこともあれば、根本から作り直す必要が生じることもある。
 修正は面倒だが、そこに成長はある。通じなくなった古い知識をアップデートするのだ。そして問題をクリアした暁には、ただ前に進めるだけでなく、動きから迷いや無駄が消える。
 初めから躓かずに進めるのが理想だが、そんな即戦力の新人みたいな天才は少ない。残念なことにぼくは違う。これまでもたくさん失敗して、泥臭いやり方で乗り越えてきた。
 だから、ぼくは失敗を恐れない。壁があればドンドンぶつかって何度も転ぶ。乗り越えることもあれば、穴を開けることもあるし、迂回路を見つけることもある。凡才の負け惜しみかもしれないが、それが成長ってもんだ。