カレンダー

2023/06
    
 
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

荒れ地に絨毯を

by 唐草 [2023/06/12]



 管理を請け負っているオンラインの学習システム(LMS)がある。毎日8,000ユーザぐらいが使っており、アクセスの集中する授業時間だと同時接続1,500人ぐらいを記録する。数字からは、それなりに賑わっていると言える。それでもサーバ性能の10%も使っていないけれど。
 そのLMSで半年に実施される授業の数は1,800講座近くに及ぶ。ぼくは、そのすべてを管理している。WebベースのLMSなのですべての操作をブラウザから実行できるが、流石に1,800講座をブラウザからポチポチ操作していたら日が暮れてしまう。いや、翌朝になっても終わっていないだろう。人力だけで管理できる量ではない。
 だからぼくは管理者権限でサーバに直アクセスして、管理用のコマンドから操作することもあるし、それでも埒が明かないときは自作の目的特化プログラムを作って直接データベースを弄り回すこともある。
 こういう影ならぬ努力でサーバは健全性を保っているのだが、問題が1つある。ぼくが本流から外れた独自管理をしているせいで、ブラウザ経由の手動操作ではほぼ不可能な針の穴を通すような設定が可能になった。これが問題。
 導入したLMSを限界まで活用することのどこが問題なのかと疑問に思う人もいるかもしれない。事実、利用者は高度で繊細な設定で実現した機能を、それが特別なことであると知らずに利用している。
 問題は利用者側ではなく、管理側にある。
 あまりにもカスタマイズし尽くしたので、もはやぼく以外の何者も設定をいじることができなくなってしまったのだ。これはマズい。全部ぼくがやらねばならないということだ。そんなに働きたくない。
 というわけで、ぼくがサーバにログインしてコマンド経由で動かしている独自ツールをWebから3クリック程度で利用できるようにした。荒れ地に絨毯の道を敷いたようなものだ。
 さて、この対応を引き返すことのできぬさらなるカスタマイズ地獄へ通じる一本道と捉えるか、それとも広く一般に門戸を開いた道と捉えるかは難しい。
 今日のところは、ぼく以外でも自由に設定を変更できるようになったと前向きに捉えたい。