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2016/07
     
      

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夏の富士山

by 唐草 [2016/07/07]



 冬場の記事に「朝の通勤時に富士山を見るのを楽しみにしている」ということを何度か書いている。
 冬の晴れた朝は、東からの朝日に照らされた雪を被った富士山がクッキリと見える。手前にある雪のない多摩の山々の奥にある青空を背景にした富士山の山様は、均整がとれていて絵画的な趣がある。
 でも、見られるのは冬場だけ。運が良いと春にも見られることがあるが、春先の富士山はレアな存在だ。
 季節限定なのはいくつか理由があるだろう。日の角度も大きな要因。でも、一番の要因は、湿度ではないかと考えている。
 冬場のように空気が乾いていると雲も発生しないので遠くまで見渡せる。一方、夏場はジメジメとしている。近くの山並みもおぼろげに見えるし、低い雲も発生しやすい。
 季節的な要因により朝の富士山は、冬の間だけのお楽しみとなっている。
 それでも、季節を問わずに富士山を探して車窓の先にある景色に目を凝らしている。
 今日は、本当にレアなものを見られた。7月に富士山を見たのは初めてかもしれない。まったく雪のない黒々とした富士山が、多摩の山の向こうにうっすらと見えていた。
 どうせ見えないだろうと思って見ていたので、朝から驚いてしまった。もしかしたら、小さな声で「あっ」とか口走ってしまったかもしれない。
 見える季節のせいでぼくの中の富士山像は白い。だからこそ、今日見えた夏の黒い富士山に大いに驚いてしまった。