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幽霊がキーを押す

by 唐草 [2024/04/24]



 先週から契約先にあるリモートPCの調子がおかしかった。アプリが最背面で起動する、コマンドを実行すると即座に終了するという厄介なことが起きていた。
 アプリが最背面で起動するのは地味だがストレスになる。だが、同時に最背面で起動できるなんて知らなかったのでWIndowsの隠し機能に驚いてもいた。一方、コマンドが即時に終了する問題は致命的だった。表示を見るとぼくがEnterキーを押してコマンドを決定した瞬間にコマンド強制終了であるCtrl+zが押されているようだった。
 これらの症状は、意図せずキー入力信号が発生してしまったことで起きているように見える。確かにリモートアクセスを使っていると通信エラーで、キー入力が送信されっぱなしになることもある。でも、それは一時的な問題で、キーを連打したり再接続すれば回復する。
 ところが、今回の問題は何をやっても解決しなかった。まるで、何かがキーボードの上に落ちて不運にもキーが押されっぱなしになっているかのようだった。
 幸いにもリモートPCは複数台用意してある。コロナ禍の最初の年の混乱の際にリモート接続先が1台だけだと困ったことになった反省から生まれた万全のバックアップ体制だ。だから、次の出社まで問題を放置しても平気だった。
 そして問題確認から1週間経過した今日、出社する機会があったので本来の業務そっちのけでまずキーボードの状態を確認した。
 ぼくの予想に反してキーボードの上には何も乗っていなかった。不思議なことにリモート経由ではなく直接物理的に操作をするとアプリは最前面で起動するし、コマンドも通常通り実行できた。何の問題も起こらない。
 だが、隣にある別のPCからリモート接続すると自宅からアクセスしたときと同じ奇妙な振る舞いを見せた。やはり、何かがキーボードを押しているような振る舞いだ。いったい、なにが起きているのだろう?まるで目には見えない霊的な存在の仕業だとでも考えたくなる状況だ。
 腑に落ちぬまま再起動を試みる。
 すると問題は立ちどころに回復した。因果は分からないが、これでいい。もはや再起動は除霊のようなもの。