カレンダー

2016/11
  
   
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

足が重い

by 唐草 [2016/11/10]



 自転車をこぐ足が恐ろしく重い。
 まるで自分の足ではないかのような重さだ。ひと漕ぎひと漕ぎが体にまとわりつくように重い。
 自転車は、ぼくにとって毎日の足。ちょっとした変化でも敏感に感じ取ることができる。これは、自転車側に原因がある重さではない。タイヤの空気もちゃんと入っているし、チェーンやギアにも適切に注油している。間違いなく、ぼくに原因があってペダルが重く感じられているのだ。
 自分自身が原因でペダルが重く感じる場合、考えられる理由は2つある。
 ひとつは、体調不良。風邪気味だったり寝不足だったりすると、とたんに自転車がこげなくなる。いつものペースでこいでいるつもりでも、速度が出なくて後輪が重くなったかのような錯覚に襲われる。
 ただ、今日はチキンカツ定食をペロッと平らげるぐらいに健康だ。絶対に体調不良から重さを感じているのではない。だとしたら、もうひとつの原因しか心当たりが無い。
 原因は、ヒートテックのタイツだ。
 山の朝は、寒い。下着から防寒しないと凍えてしまう。この季節は、上下ともヒートテックの下着を身につけている。ヒートテックは、伸縮性の強い素材だ。体にピチッと密着することで高い発熱効果を発揮している。歩いたりしている程度の運動では、ヒートテックの伸縮性が気になることは無い。
 ただ、自転車をこぐような大きな腿上げ運動をしようとすると、伸縮性が体のジャマをする。明らかにゴムを伸ばしながら腿上げをしているように感じられるのだ。すっかり忘れていたけれど、ヒートテックのタイツと自転車の相性は最悪だったんだ。次の春までこの重い毎日が続くことになると思うとウンザリだ。
 でも、山の寒さと天秤にかけると重い方を選ばざるを得ない。辛い選択だが、暖かさには変えられない。