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部屋が暖まらない

by 唐草 [2016/11/18]



 朝からエアコンをつけているのにまったく部屋が暖まらない。それどころか、余計に冷えてしまったような感じすらする。
 猫が部屋の扉を勝手に開けてしまって廊下の冷気が流れ込んでいるのだろうか?いや、そんなことは無かった。扉はちゃんと閉まっている。窓だって開いてはいない。なのに何なんだ、この屋外のような寒さは!
 ちっとも部屋を暖めてくれないエアコンを睨みつけた。
 その瞬間、原因が判明した。
 エアコンの運転モードを示す液晶画面が緑色に光っていた。暖房ならオレンジ色に光るはずだ。緑色は、冷房のサイン。なんてこった。この寒い初冬の朝に冷房をつけてしまっていたとは。
 いや、まてよ。なぜ、寒いのに冷房が稼働するんだ。それもほぼ全力で。自動運転設定のはずだし、この気温なら冷房は動かないはずだ。それなのになぜ床を冷たく冷やすほどの勢いで冷風を出し続けているんだ。
 冷房を止めようとしてようやく自分のミスに気がついた。
 自室のエアコンはリモコンだけが壊れてしまった。その結果、本体に付いている応急運転ボタンで制御を行っている。この応急運転ボタンというのは、本来リモコンの電池切れなど一時的な問題を凌ぐために設置されているに過ぎない。ぼくのように日常使いすることは想定外だろう。
 だから、応急運転ボタンの隣にやっかいなもう一つのボタンがある。
 強制冷房ボタン。
 どんなシーンで使用するボタンなのか分からないが、いかなる時も全力で冷房を稼働させる恐怖のボタンだ。冬だって容赦しない。エコなんて聞いたことすらない。そんな大胆な運転を実現するボタンである。
 今朝のぼくは、こっちを押してしまったのだろう。危うく凍死しかけるところだった。