by 唐草 [2016/11/20]
あると思っていた場所に無かった土鍋。土鍋が無くとも今のところはまだ大きな影響は出ていない。ただ、この先の温かな鍋料理ライフに大きな支障が出ることは確実だ。鍋のない冬なんて、寒さに耐えて生きている価値を見いだせなくなるほどの損失である。
絶対に土鍋を見つけ出してやる。
そもそも3、4人用の大きな土鍋が忽然と姿を消すなんてあり得ない。「ちょっとタンスの裏に落ちて見えなくなっていました」なんてことが起こるサイズではない。特徴的な形は、剥き身で置いていれば否が応でも目に入る。段ボール箱に入れていたのなら大きな箱が必要になるので目立つことだろう。
まずは、リフォーム中に多くのものを収納していた天井裏を再捜索するところから始めた。
だが、天井裏はほぼ空だ。扇風機と猫のケージぐらいしか入っていない。土鍋の姿はないし、土鍋が入りそうなサイズの段ボール箱もない。
続いて、リフォーム後に行き場を失った物たちを仮置きしているサーバ室を捜索した。この部屋には、まだ数箱の段ボールが残されている。ただ、どの箱もラベルを貼って中身を管理している。「土鍋」と書かれた箱はない。とは言え、思い違いやラベルの記入ミスもあるかもしれない。先入観を捨ててすべての箱を開けて中身を確認した。だが、ラベルが正しいことが確認できただけで、土鍋の姿はやはりなかった。
もう、こうなればすべての場所をしらみつぶしに探していくしかない。本棚、タンス、クローゼット。なにかをしまえそうな場所は、すべて調べたが土鍋はなかった。
もしかしたら、工事の時に部屋に残していたので破棄されてしまったのかもしれない。そんな不安もよぎった。
探すのを諦めて、キッチンに戻った。
物が見つからないときは、たいていの場合思い込みのせいで見つからない。
改めて基本に立ち返ってみよう。土鍋を2階に置きっぱなしというのが思い込みかもしれない。もし、鍋をキッチンに降ろしていたとしたらどこに置く?やっぱり、電子レンジの脇の棚だよなぁ。
そう思って、改めて棚を確認したら、見慣れぬ段ボール箱があった。中身は当然、土鍋。出したこと忘れてただけじゃないか。
くっそー、やはり思い込みのせいで見逃していたのか。