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歯磨きの意識改革

by 唐草 [2024/05/07]



 先日、歯科検診で見つかった虫歯の治療を終えたことはすでにここに書いてある通り。治療した歯は、自分でも歯磨きが十分でないと感じていた場所だった。
 ぼくは電動歯ブラシを使っている。電動歯ブラシのいいところは、ヘッドが人間では再現できないほど高速振動するので漫然と歯に当てているだけでもそれなりに歯を磨けることにある。だから、歯磨きをしているときのぼくは無我の境地にある。たぶん風呂に浸かってぼーっとしているときと同じぐらいに何も考えていない。
 歯ブラシを口に入れた直後は「今回は奥歯をしっかり磨こう」と考えていても、微細振動が脳を麻痺させるのか10秒もすればなにも考えなくなっている。あとは歯ブラシが発する30秒ごとのシグナルに合わせて手を動かすだけ。だから、手のクセがそのまま歯磨き偏りとなる。上顎の奥歯あたりを磨くときは、脳波が停止しているという事実が発覚しても驚かないぐらいに何も考えていない。
 そんなクセを発見したので、これまでに歯を磨いている最中の意識改革を試みてきた。
 ぼーっと立って歯を磨いていることが悪いのではと考えて、スクワットしながら歯磨きをしてみたこともある。これは筋トレにもなるので一石二鳥かと思ったのだが、そうはうまくいかなかった。電動歯ブラシが止まるまでの2分間にぼくの息が上がってしまった。呼吸が荒くなり歯磨きどころではない。二兎を追う者は一兎をも得ずを体現した。
 次に歯ブラシを最初に当てる場所のランダム化を試みた。すぐに漫然と歯磨きをするようになるとは言え、最初の10秒ぐらいは目的意識を保てている。その10秒にすべてを賭けたのだ。歯磨きを開始する位置をランダムにできれば、統計的に偏りなく磨けるはずだ。
 だが、人間が完全なランダムを実現するのは難しい。結局、クセでいつもの場所から始めてしまう。歯を磨く前にサイコロを振るようにでもしない限りランダム作戦はうまくいかないだろう。その他にも曜日ごとに開始位置をずらすルールを試みたが、これも失敗している。
 様々な努力をすれど結果に結びつかないぼくの歯磨き事情。また同じところが虫歯になりそう。