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量産型親子丼

by 唐草 [2014/05/29]



 今日の学食の定食は、なんと親子丼だった。初めて見るメニュー。
 親子丼と言えば、とろっとした半熟卵の卵とじがおいしさの決め手。こればっかりは、作り置きしておくのが難しい。学食のような大量に料理を作らなくてはいけないところで、いったいどうやって親子丼を提供するのだろうか?
 親子丼の食券を購入して、ワクワクしながら食堂の厨房へと通じる列に並んだ。
 数分後、ぼくの持ったお盆の上には想像もしていなかった親子丼が載っていた。
 やはり学食の大量調理で半熟親子丼を提供するのは無理だったようだ。保温トレイの中で調理済みの卵はどんどん固まっていってしまう。その結果、鶏肉入りスクランブルエッグのようなものがどんぶり飯の上に載っかっていた。
 だが、それで終わりという訳ではない。
 学食のおばちゃんたちだって、そんな完熟卵じゃ親子丼と呼べないということを十分に把握していたようだ。なんとか半熟卵を提供しようとする努力の跡が見られた。
 なんと完熟親子丼の上に温泉卵が載っていたのだ。これは見事な半熟。学食の限られたリソースで親子丼を量産するために行った精一杯の努力だろう。
 食べる前に温泉卵を崩せば、ちょっとだけとろみのある親子丼に近づけたようにも思えた。
 なお、食べている際に違和感を感じたので親子丼の具をよく見たらカマボコの細切りと思われるものが入っていた。誰の子だ、このカマボコは!!親子丼のアイデンティティーを崩しかねない具に驚きを隠せなかったお昼時。