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シグニチャ

by 唐草 [2014/05/10]



 日本は印鑑文化の国だ。役所やら職場に提出する書類には、必ずと言っていいほど印鑑を押すことになる。実にこれが面倒だ。
 現代社会において印鑑にどれだけの証明能力があるのだろうか?
 多くの人は、シャチハタを使っている。便利な印鑑なのでぼくも持ち歩いている。でも、量産品のこの印鑑。簡単に同じ印影の印鑑を入手することができる。ぼくが印鑑を押した風を装いたかったら、文房具屋にでも行ってシャチハタを買ってくれば簡単に偽造ができる。
 銀行関連や会社関連の印鑑となるともう少し厳しくチェックされる。役所に登録してある実印でないと印鑑の効力が認められない。この手の実印は、基本的に量産品でなく一点ものなのでシャチハタよりは捺印をした人の証明にはなるだろう。
 でも、それだって現代テクノロジーの前では、ほぼ無力だ。
 少し前から印影をスキャンしてそれを元に新たな印鑑を作ることができると言われてきた。ただ、この方法だと印鑑を作る際に「この印影と同じ印鑑を作ってくれ」とオーダーすることになるので、印鑑の複製を試みていることが彫師にばれてしまう。ばれずに偽造するには自分で彫るしかなかった。
 ところが状況は一変した。3Dプリンタの登場だ。印影をスキャンしてそれを3Dプリントすれば、かなり精度の高い複製印鑑を作ることができる。
 こういうテクノロジーの前では、印鑑なんてなんの証明能力も持たないだろう。
 それでも、印鑑文化はすぐには廃れないと思う。
 本人以外が捺印しても本人の証明になる便利なシグニチャなんてそうそうないからね。(ずる)賢い大人は、印鑑のメリットを最大限理解しているはず。だから、もうしばらく印鑑文化は続くんだろう。