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写真に興味が無い

by 唐草 [2015/07/11]



 6月に参加してきたオフ会の集合写真をいただいた。ネットでの流出を恐れたのか、プリントされたものをいただいた。安全と言えば安全な渡し方だが、実際に会う機会がないと渡せないので、オンラインゲームのオフ会の写真の渡し方としては合理的には思えない。
 と言うか、集合写真が欲しい人はみんな自前のカメラで撮影してもらっていたではないか。居酒屋の店員さんは本当に大変だ。デジカメやらスマホを次々に渡されて、同じような写真を何枚も撮らなくてはならないのだから。
 いただいた写真を見て思う。ピントが甘い。やはりうす暗い店内だとスマホカメラの限界がすぐに露呈してしまう。やはり、撮るなら一眼じゃないとなぁ。と贅沢な感想を密かに抱く。この思いが顔に出ていないと良いのだが。
 15人も映っている写真なので顔の識別がギリギリできる程度の写真。まぁ、ある意味そのぐらいの画質で良かったかもしれない。この細い兄ちゃんが○○さんで、帽子を被っているのがぼくで、茶髪っぽい人が××さんだと特徴的なパーツで個人を判断している。普通の大人の集合写真なので、高解像度で眺めたくなるような人はひとりも写っていない。
 集合写真を撮った際にぼくは、自分のカメラで撮影はしていない。しようとすら思っていなかった。誰かが撮っていたので、それをもらおうとも考えていなかった。
 純粋に集合写真の必要性を感じていなかった。
 撮ったところで地味な大人の集合写真になることは分かりきっていた。密かに想いを寄せている○○さんを写しておきたいという欲求でもあればカメラを構えたかもしれないが、そんな人もいない。何よりもぼくが、写真を眺めてオフ会を懐かしむような瞬間が訪れるとは思えなかった。
 自分の中に記憶という形で思い出が残っていればそれで十分。カメラという第三者の目を通して記録されたものを見ても、それはぼくが実際に体験した本当の記憶とは違う。だから、写真で思い出を留めようと思った事はないし、写真がないと忘れてしまうような思い出には価値がないと考えている。