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ゲームの中を駆け抜ける

by 唐草 [2024/04/23]



 多くのローグライクにダンジョンを倍速で駆け抜けるダッシュ機能が用意されている。自分と敵が交互に動くターン制ゲームなので、自分が倍速で走れば敵も倍速で追いかけてくる。これでは走る意味がないように見える。
 そんなことはない。ローグライクのダッシュはダンジョンを効率よく駆け抜けるために用いられる。アクション性のダッシュではなく、時短機能としての倍速移動機能なのだ。
 開発中の『ギコ3』にもダッシュ機能はある。他のローグライクと同様にキャンセルボタンを押しながら移動するとダンジョンを駆け抜ける事ができる。これがあるとないとでは、プレーの爽快感が全然違う。1ゲームが長丁場になりがちなローグライクでは絶対に欲しい機能だ。
 さて、ぼくは自作のダッシュ機能を「Bダッシュ」と呼んでいる。Bボタンを押しながら利用する機能だからこの名前という訳ではない。マリオシリーズへのリスペクトから生まれたネーミングだ。
 ファミコン時代よりマリオはBボタンを押しながら移動すると倍速でステージを駆け抜けた。単純な操作と機能だが、その単純さと絶大な効果は幼いぼくを魅了した。まだ、マリオのアクションが少なかったからこそ「Bダッシュ」は必殺技のような存在に見えた。気づけば全力で走ることを「Bダッシュ」と呼ぶようになっていた。
 三つ子の魂百までとはよく言ったものだ。オッサンになった今でも走ることを「Bダッシュ」と呼びたくなる。
 ふと気になったのだが、令和の今のキッズたちにも「Bダッシュ」は通じるのだろうか?今でも2Dマリオシリーズは脈々と続いている。きっとボタンを押しながら素早く移動しているだろう。
 だが、今のマリオはファミコン時代とは比べ物にならないほど複雑で色鮮やかになっている。もちろんコンセプトは初代から変わらず受け継がれているが、ダッシュは基本操作でしかなくなっている。ファミコン時代のようなスペシャルな感じは薄い。
 令和のキッズに「Bダッシュ」と伝えたとき「走る」という意味は伝わるだろう。でも、そこにある特別感を共有できる自信はない。