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1%空ける

by 唐草 [2024/05/10]



 管理を委託されているサーバの1つが危険な状況にあった。バックアップ用のNAS(ネットワーク越しに使う外付けHDDみたいな装置)なのだが、ディスク使用率が97%だった。もう、いつ容量不足エラーを起こしてもおかしくない。
 そのNASは、仮想マシンホストからデータベースまで様々な機器のバックアップを一手に引き受けている。1日あたり数GBのペースでディスクが消費されている。
 だから、常に監視対象だったし、ディスク使用率が98%を超えたらメールで警告するように準備していた。その一歩手前の97%で気づけたのは、日々の監視の成果だろうか?それとも目覚ましが鳴る直前に目覚める虫の知らせみたいなものだろうか?
 計算上、8月ぐらいにディスク容量が尽きるはずだった。だから、夏までに新しい機材を用意しないとまずいことになると契約先には伝えてある。だが、NAS更新の稟議が進んでいる気配はない。それどころか、バックアップ機器の容量が尽きるという事態を理解できていないとしか思えない。
 だから、ぼくがせっせといらないと思われるデータを削除して空き容量を確保し続けている。完全に自転車操業で成り立っている火の車のNASなのだ。
 1ヶ月分の猶予を作りたいので、ディスクの1%に相当する100GBは削除したい。だが、絶対に消して大丈夫と太鼓判を押せるデータはほとんど削除済み。もう、打つ手なしに思えた。
 それでも諦めずにディスクを漁ったところ、1つで16GBもあるファイルが複数保存されているのを発見した。しかも、定期的にバックアップを取っているので古いものは消しても問題なさそうだ。
 7個も消せば100GB確保できるぜ!
 喜び勇んでファイルを1つ消したが、空き容量は3GBしか増えなかった。他も同じだった。
 なんだこのファイル?改めて確認したら仮想マシン用の可変長ディスクイメージだった。16GBと名乗っているが、実際には使った分しかディスクを消費しない便利なファイル。普段は便利だが、可及的速やかに空き容量を確保したい今だけはディスク使用率を混乱させる厄介な存在でしかない。
 1%の確保がキツイ…。