by 唐草 [2015/05/03]
先月、道路地図を参考に江戸川乱歩の墓を見つけに行った。結果は、2つの理由から大失敗に終わった。
道路地図の細かさでは何千基もある墓石の中から目的の場所をピンポイントに探し出すことは不可能だということが1点。江戸川乱歩の本名を知らなかったので墓石の見つけようが無かったというのが2点目。
悔しい。
その悔しさをバネに入念に準備をすることにした。
江戸川乱歩も眠る多磨霊園は、古くからある墓地なので著名人が多く埋葬されている。ネットを調べれば著名人の墓の場所データベースというようなものが簡単に見つかる。その手の情報を利用して墓の住所とでもいうような番号をしっかりと調べておいた。
歴史ある霊園なので歴史や国語の教科書で名前をみるような著名人が多く眠っている。それ以外にも、地元の名士とか明治時代の政治家とかそうそうたるメンバーが葬られているらしい。データベースには膨大な量の名前が記されている。歴史に疎いぼくは、そのほとんどすべてを知らなかった。
データベースのおかげで墓の場所は分かった。今度は、乱歩の本名を調べよう。これはWikiに頼ればすぐに分かる。ふむ、『平井』と言うのか。
これで準備は整った。
いざ、墓参りリベンジ!
リベンジというのはなんか違うような気もするが、先日の自分に打ち勝つという意味ではあっているようにも思える。
墓の住所が分かっていても墓石1つを探し出すのは骨の折れる作業だった。案内の標識を何度も確認しながら墓地をグルグル回るハメになってしまった。
そしてようやく見つけた乱歩の墓。
墓石には『平井家の墓』と彫られている。やはり、本名を調べておいて良かった。だが、墓石の脇に『江戸川乱歩』と彫られた碑が建っていた。あら、なんて親切な墓なんだ。
乱歩の戒名を確認する。
『幻城乱歩居士』と墓誌石に刻まれていた。
滅多に戒名で見ないような文字が並んでいる。このダークな字面がなんとも乱歩らしい。
頑張ってお参りに来た甲斐があるってもんだ。