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びしょ濡れになる

by 唐草 [2015/07/09]



 今年の梅雨は、本当に雨が良く降っている。ニュースを見ていると九州なんかは毎日大雨が降っているような印象がある。東京だって大きな被害は出ていないけれど雨ばかりだ。室内干しの洗濯物に部屋の大半が占領されている。
 毎日の雨にうんざりしていたが、今朝は雨がやんでいた。晴れにはほど遠い曇天だったが、空から雨粒は落ちていない。これならカッパを着ないで駅まで自転車で行ける。ぼくはそう判断をして、久しぶりに身軽な装いで自転車に跨り駅へと向かった。
 ぼくが着ているカッパは登山にも耐えうるゴアテックスの強力なカッパ。ビニール袋を被っただけにしか見えないポンチョタイプのカッパとは防水力が全然違う。確かな防水力を発揮してくれるのはありがたいのだが、その高い密閉性故に暑い。夏場に着るとさながらサウナスーツのようだ。雨には濡れていないけれど、自分の汗で服が湿ってしまう。
 そんな強力すぎるカッパだから、正直言ってあまり着たくない。出勤時は濡れるのを避けたいので我慢してカッパを着るが、帰宅時は暑い思いをするより濡れる方を選びたくなる。
 だから、午後から天気が下り坂なことを知ってはいたが、カッパを持たないで出かけることを選択した。それに帰宅時間はまだ小雨の予想だった。
 ただ1つ、ぼくはあることを忘れていた。
 今日は打ち合わせがあるので帰宅時間が普段より2時間近く遅くなると言うことを。
 普段通りの帰宅時間の頃は、まだ小雨だった。濡れることを厭わない横着な人は、傘を差さないレベルの降りだった。
 ところが、打ち合わせが終わった頃は大粒の雨が落ちてくる本降りになっていた。この天気で傘を差さないのは、ちょっと危ない人に見られてもしかたがない。そう、ぼくのように。
 雨宿りしたところで小雨になる見込みもないので、潔く雨に打たれることを選んだ。顔に当たる雨粒が痛いほどの降りだ。下着まで完全にビショビショにしながら自転車をこいで家路を急ぐこととなった。やっぱり、カッパ持ってくるべきだった…。