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水族館の陰謀とぼくの野望

by 唐草 [2012/03/05]



 昨晩ぐらいから話題をかっさらっている葛西臨海水族園のペンギン脱走騒動は、仕組まれたものに違いない。陰謀説が大好きなぼくは、どうしてもそんな風に考えてしまう。
 1羽のペンギン、それも135羽のうちの1羽が脱走しただけでこの騒ぎ。いったい昨日から今日までの間に何回水族館名前が取り上げられたことだろう。飼育動物の脱走は水族館の不手際ではあるが、元気に東京湾を泳ぐペンギンの姿を想像するとなんとなく許せてしまう。ライオンが逃げた動物園やシャチが逃げた水族館とは訳が違うと考えてしまう。安楽を捨て自由を求めてよちよち歩きで外洋を目指した姿を想像すると、ペンギンの勇気ある決断に拍手を送りたくなってしまう。そんなぼくたちの感情を利用したに違いない。
 脱走報道のおかげで葛西臨海水族園は、どれだけのメディアに露出したのだろうか?CM換算だったらいくらぐらいになるのだろうか?ペンギン1羽をそっと海に放つだけで、こんなにもメディアを操作できるなんてだれが想像しただろう。水族館の広報官は、相当な切れ者に違いない。
 これが、ぼくの中の陰謀説大好きな部分が考えたことだ。でも、これがすべてではない。むしろおまけみたいなものだ。
 ぼくは自他共に認めるペンギン好き。そのことを忘れてしまっては困る。ぼくはペンギンを小脇に抱えて街を歩きたいという素朴な夢を心に秘めて日々を過ごしている。あの白黒で流線型の生き物は、ぼくの夢なんだ。そんなぼくにとってこの脱走事件は千載一遇のチャンスとしか言いようがない。さらに脱走したのが手頃なサイズのフンボルトペンギンだというのも嬉しい。あのサイズこそぼくが小脇に抱えたいと考えているベストなサイズなんだ。もし脱走したのがコウテイペンギンだったら、ぼくに勝ち目はなかっただろう。捕獲を試みるも、あの鋭く大きなくちばしでつつかれ腸を引きずり出されてしまうかもしれない。
 待ってろよ、フンボルトペンギン。ぼくが小脇に抱えるまで誰にも捕まるんじゃないぞ。