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客引きの見極め力

by 唐草 [2012/07/04]



 週に一度は仕事で秋葉原を訪れている。いつ行ってもDOS/V通りは、毎日がお祭りといった雰囲気がある。
 秋葉原のメイドカフェブームも過去の話になったと聞くことが増えた。でも、DOS/V通りを眺めると3mぐらいの間隔で客引きメイドさんがビラを配っている。メイド以外の衣装を身につけた人も増えてきていて、もはや何の客引きだか分からないありさまだ。
 メイドカフェというコンテンツが斜陽にあるので客引き合戦が激化しているのか、それともサービスがメイド以外に細分化されてニッチな需要を満たすように変化しつつ勢いを保っているのかは、ぼくには分からない。
 そういえば、最近めっきりビラを渡されなくなったなぁ。受け取ったことは無いにしろ、昔はけっこうビラを差し出されていたのに。そんな頃は、ビラを渡されないようにする虚しい努力さえしていたのに。
 今は普通に歩いているだけなのに、ビラを渡されることはまず無い。
 ぼくの装いなんて、肩掛けバッグにメガネというオタクコスプレそのもの。スーツにネクタイとかなら渡されない理由も分かるのに。何でだろう?ちょっと考えてみた。
 まずは、客引きメイドさんたちの見極めスキルの向上が考えられる。カモになりそうなお客を、服装や装いからではなく態度から見抜けるようになったのではないだろうか?
 次にぼく自信の変化もあるだろう。以前は、やはり日常の文脈から著しく乖離した衣装に身を包む客引きメイドさんたちに目を奪われていた。でも、何度も目にしているうちにドンドン見慣れていってしまった。今でも妙なカッコをしているなぁと思いはするが、それはケンタッキーフライドチキンの前に置かれたカーネル・サンダース翁の像を見るのと同じような感覚になっている。そこに興味の色はない。
 ビラを渡されなくなったと言うことは、ぼくが怪異な観光地になり果てた秋葉原の街を空気のように歩けるようになったと言うことなのだろう。