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by 唐草 [2016/09/29]



 ぼくの夏の楽しみと言えば、かき氷だ。暑い日の晩に自転車に乗ってたっぷりと汗をかいてから冷たい練乳イチゴのかき氷を食べるのこそ夏の至福の一時である。
 ところが、今年はかき氷をほとんど食べられなかった。すべてリフォームの影響だ。
 そのため、もうすぐ10月になろうとしているのに、いまだにイチゴシロップが残っている。冷蔵庫の片隅に追いやられた毒々しい色の瓶が、なんとも場違いなものに見えてしまう。
 かき氷シロップは、かき氷以外で活用するのは難しい。「シロップでサイダーを割っても美味しい」と瓶に書いてあるが、アレは嘘だ。飲んでも美味しくない。かき氷シロップは、かき氷のためだけの存在なのだ。
 だから、かき氷を美味しく食べられる夏の間に使い切れなければ、泣く泣くシロップを捨てるハメになる。シロップを捨てた流し台は、ケミカルな甘い匂いに包まれそこだけ夏のように感じられる。それは、自分で夏を捨てているとても悲しい甘さだ。
 こんな悲しい思いは、したくない。だから、毎年頑張ってかき氷シロップを使い切ってきた。
 でも、今年はまだ残っている。量にして約1回分。
 暑い日が一度でも来れば使い切れる量だ。ただ、ちょっと汗ばむぐらいの暑さではダメ。かき氷を美味しく食べるには30℃は欲しい。今年は、9月末にしては暑い日が続きそうだと予想されている。
 果たして、30℃を越える日は来るのだろうか?来てくれないと夏の名残を捨てるハメになってしまう。