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視界良好

by 唐草 [2014/02/09]



 大雪から一夜明けた街。
 都知事選へと向かうぼくの視界は良好だった。
 いや、政治の話じゃない。
 実際の視界の話だ。
 200mぐらい離れた通りの奥の建物がクッキリと見える。なんだか視力が回復したかのような感覚だ。思わずメガネをかけているか確認してしまった。この確認はまったく意味がなかったが、乱視のぼくがメガネをかけた瞬間に感じるような視界がクリアになる感覚がずっと続いている。
 これは目の錯覚でもなんでもない。本当に視界がクリアなんだろう。
 積雪30cmを越える大雪と台風並の強風。この2つが街の埃を洗いざらい取り除いてくれたに違いない。空気はキレイだ。空も快晴に近い。そして地面に積もった雪は太陽の光を受けてレフ板のように建物を照らしている。また、通りを通る車も少ないので、埃も舞い上がらない。
 空気も綺麗で照明効果もバッチリ。これ以上無いぐらいに街の空気は澄み切っている。
 キレイであることに気がつくと、逆のことにも気がついてしまう。
 普段はどれだけ空気の汚れたところに暮らしているのだろうかと。大気汚染というレベルからはほど遠くキレイだと信じていた空気にも大量の塵が浮かんでいたのだという事実に気がつかされる。一度清浄なものを知ってしまうと、普段が汚れたものに感じられてしまう。
 さて、空気は綺麗になった。
 では、それまで中をさまよっていた汚れはどこへと行ったのか。
 当然雪の中だ。この白く輝く雪が埃まみれなのか。