by 唐草 [2014/11/22]
久しぶりに緊急地震速報の警告音を聞いた。東京にいたけれど、ぼくは緊急地震速報を耳にすることになった。
何度聞いてもいやな気分になる警報音だ。危機感を感じるような音として作られていることは、もちろん分かっている。それでも、心底不安になる音だ。
不安を煽る音だから不安になるというのも大きいが、それ以上に震災直後に何度も耳にして実際に揺れを体験したという経験が不安感を加速させるのだろう。
長野県北部を震源とする地震の緊急地震速報をなぜ東京にいるぼくが聞くことになったのか?
理由は簡単。BS放送を見ていたから。
地上波の放送は、地域ごとに緊急地震速報を流すことができる。でも、BS放送は全国画一の放送しかできない。だから、警報エリア以外でも緊急地震速報が鳴ることになる。
警報を耳にした瞬間、緊張が走る。
どのエリアが対象かなんてすぐには理解出来ない。当然のように自分の住む地域が警報の対象なのだと思い込んでしまう。
少し身を固くして画面に表示された情報を確認する。東京はエリア外だ。BS放送を見ていたことを思いだし、ほっと胸をなで下ろす。
とは言え、緊急地震速報が出るレベルの揺れならこちらまで伝わってきてもおかしくはない。耳をすまして、電気のヒモなどの揺れやすいものを凝視する。何十秒後かにランプが小さく揺れているのを確認して地震の到来を知る。
そして、平穏が帰ってきた。そう思って、再びテレビに集中しようとしたら画面が切り替わった。
緊急の地震ニュースになっていた。
震度6弱という、日本以外の国だったら街がひとつ消えてもおかしくないような揺れがきたと告げている。
地域を越えたBS放送のおかげで、なんだか現地に近いような妙な危機感と緊張感を味わうこととなった。