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風呂復活

by 唐草 [2016/08/31]



 やったー、お風呂が復活したぞー。
 
 予定より早い風呂場のリフォーム終了に思わず歓声をあげてしまった。
 この2週間で家に風呂がないという不便を理解することができた。温泉施設を利用したりして、どうにか入浴をしてきたがやはり不便だった。もちろん広い浴場の温泉は気持ちのよい場所だ。ただ、気持ちが良いということと便利だということは全く別次元のことだ。
 風呂に入りたいと思ったら、すぐに風呂に入ることができる。これがこんなにも便利なことだとは、失うまで気が付きもしなかった。
 新しくなった風呂場は実に美しい。建材むき出しの作り途中で屋内の扉もない家に現れたユニットバスは、場違いにも見える。30年もののタイル張りの風呂場から一気に最新のユニットバスへと進化したので、その変化は目覚ましい。風呂のフタの軽さにさえ感動しているありさまだ。
 さて、風呂場がなかったこの2週間の奮闘をここに記しておこう。
 台風襲来などの影響もあり8月の末としては、涼しい方だった今年。それでも夏は夏だ。なにをしなくとも汗ばんでしまう。とてもじゃないけれど、頭を洗わずして眠りにつくことなんてできない。
 ただ、温泉施設は入浴料が高いので毎日行くことは無理。
 だからぼくは、仮設の流し台で毎日頭を水で洗っていた。夏だからできる芸当だ。流し台があれば頭は洗えるが、体を洗うことはできない。濡れタオルで体を拭いてはいたが、サッパリしたとは言いがたかった。
 全身を覆う不快感に耐えられなくなったぼくは、一度だけ暴挙に出た。
 深夜になって近所が寝静まったのを確認したら、パンツ一丁で狭い庭に出た。そこで植木用のホースを使って水浴びをした。端から見たら、夜中にパンツ一丁でうろつく濡れたただの変態だ。いくら自宅の敷地内といえども危ない橋を渡ってしまった。
 そんなワイルドな生活ももうおしまい。