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毛のない素材

by 唐草 [2023/04/07]



 地方自治体の市長や市議を決める統一地方選挙が迫っている。国政選挙に比べると選挙活動は静かなものだ。少なくとも候補者の名前を連呼して走り回る選挙カーに煩わされてはいない。
 その代わり何人かの市議候補が、一軒一軒挨拶回りをしているのを目にしたし、我が家のインターホンも鳴らしていった。候補者の身の丈にあった地元に根ざした選挙活動かもしれないが、飛び込み営業のような泥臭いスタイルに好感は抱けない。
 そんな訳で、ぼくは候補者の来襲に対して居留守を使ったり、生返事でやり過ごしている。傍から見れば、付け焼き刃の選挙活動と政治に無関心な塩対応。民主主義の終末のようだ。
 候補者が去った後には置き土産がある。もちろん山吹色のお菓子ではない。ポストにビラやポスターを入れていくのだ。それらのビラを見るつもりなんてないけれど、ポストから出そうと手に取ると反射的に見てしまう。悔しいけれど術中にはまっている。
 先日訪ねてきた男性候補のポスターに気になる点があった。表面には、候補者の名前とスキンヘッドの男性が大きく印刷されている(スキンヘッドとは別の表現を用いたいが、候補者の侮辱と解釈されると厄介なので穏やかな表現を使用)。裏面は写真と「いらすとや」のイラストで実績を紹介していた。候補者の写真にそっくりなスキンヘッドでメガネを掛けたスーツ姿の男性の「いらすとやテイスト」なイラストもあった。
 だが、その似顔絵イラストが不自然なのだ。
 頭部のカーブが合成したかのようにガタガタになっている。いらすとやの男性を無理やりスキンヘッドにしたかのように見える。また、メガネの線がシャープすぎる。Wordの楕円ツールで描いたようだ。
 これっていらすとやの作品を改変したものなのではないだろうか?
 「坊主」でいらすとやの作品を検索しても、該当のイラストは出てこなかった。その後、いくつかの言葉で検索したらスキンヘッドにされる前の元画像らしきものが見つかった。
 スキンヘッドがポリシーなのかもしれないが、いらすとやの作品へのリスペクトが欠ける候補に投票はしたくない。